研究概要 |
今年度は,インターネットを通して,GISで利用研できる空間データ,地域統計,地図などの収集を系統的に行うとともに,フィールドワークの準備を行った.政情不安なため,予定していたフィールドワークについては,19年度は不可能になった.政情の安定を待って,地域調査は平成20年度の冬に実施した. 具体的な研究活動を要約すると,以下のようになる. 1.衛星データをリモートセンシシグの技術を使って解析し,土地利用変化を可視化した.(ナイロビ周辺の衛星データを活用) 2.地理情報システムを援用してセンサスなどの社会経済的データを分析し,土地利用の変容プロセスを朋らかにした.(デジタルデータ・地図を利用) 3.エコツーリズムの起点となるナイロビにおける観光開発について論じた文献や報告書の入手を行った. 4.平成20年12月から21年1月にかけて,ナイロビおよびマサイマラ国立公園周辺の土地利用変化についてフィールドワークを行った結果,次のことが解明できた.国立公園内は,政府によって環境が保全されているが,観光関連企業の立地が可能な周地域では,乱開発によって生態系が崩れ,環境の悪化を招いている.特に,マサイ族の居住地区では,観光開発の波が押し寄せ,集落移転を余儀なくされている.その一方で先進的マサイ族は近代化の波に乗り,商業化して重要な観光資源として機能する一方,汚水や排水により生態系の変化を引き起こしている.欧米からの観光客は増加傾向にあり,喫緊の対策が求められている.
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