研究課題
本年度が初年度であることから、千葉大学が中心となって展開しているSKYNET観測網(雲・エアロソルの放射影響評価に関する観測ネットワーク)のデータ整理を行った。目標である雲及びエアロソルの放射影響評価を行うために、先ずエアロソルの光学的性質に関する整備を開始した。エアロソルの光学的性質は、SKYNET観測網ではsky radiometerで計測している。エアロソルの直接効果の推定のために質の確保が重要であり、その第一段階としてエアロソル解析中の雲の影響除去システムの開発を試みている。これは、薄い絹雲などエアロソルと区別が難しい大気状態の場合に必須であり、エアロソルの精度の高い直接効果の評価には欠かせないものである。一方、SKYNETに展開している器材の安定運用がデータの継続性にとって重要であることから、比較検定機材を用いて、モンゴルマンダルゴビ及び中国合肥サイトのsky radiometer、日射・放射計の検定を行った。また、エアロソルと雲の相互作用研究のために、2008年2月から4月にかけて集中観測を行い、現在進行中である。これは、SKYNET沖縄辺戸岬観測施設において、既に常時観測を行っているsky radiometer,日射計、放射計、ライダーの他に、新たに千葉大学が開発したFMCW雲レーダを持ち込み、雲の内部構造の連続観測を追加することによって雲-エアロソルの総合的な知見を得ようとするものである。今回他大学の協力により雲核計測も行われており、本研究課題ではエアロソルと雲の相互作用に関わる雲核計測を行った。これらのデータは2008年5月以降、終了後に解析を実施する予定である。
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Journal of Meteorological. Society of Japan 85
ページ: 47-68
Journal of Geophysical Research 112
ページ: doi:10.1029/2007JD008506