研究概要 |
真菌の二次代謝物は、抗生物質などの薬としての性質や毒性の観点からその重要性が認識されている。本研究では、これらの二次代謝物の合成に関与している遺伝子群を同定するための新たなバイオインフォマティクス技術を開発した、この方法は、従来、転写因子の結合部位の予測に使われていたShpigelman, et. al.(1993)によるDNA curvature法を、二次代謝に関する遺伝子クラスターの予測に適したように改良したもので、遺伝子発現データを用いて、いくつかの染色体で調べた結果、その有効性が実証されつつある。これまで、二次代謝に関与している遺伝子群を同定するには、既知のクラスターとのホモロジーを調べることが中心であったが、新規のクラスターを探索するという観点から限界が指摘されていた。本研究で開発した手法は、この限界を打開する可能性があるものであり、またDNA curvature法に基づく方法が二次代謝関連遺伝子クラスターの予測に使えることを始めて示したものである。本研究が開始されたのは2007年12月からであるため、まだ論文として出版はされていないが、この成果を次の論文として投稿準備中である:"Do, J.-H., Miyano, S., Analysis of secondary metabolite gene cluster in Asperrgillus fumigatus genome using GC and DNA curvature profile".
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