研究課題/領域番号 |
07F07581
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小倉 淳郎 独立行政法人理化学研究所, 遣伝工学基盤技術室, 室長
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研究分担者 |
KIM Jin Moon 独立行政法人理化学研究所, 遺伝工学基盤技術室, 外国人特別研究員
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キーワード | 生殖細胞 / ゲノム再プログラム化 / クロマチン修飾因子 / 始原生殖細胞 / ヒストンアセチル化 / ヒストンメチル化 / ゲノム刷り込み |
研究概要 |
哺乳動物の胎児期に表れる始原生殖細胞は、生殖細胞への分化に運命付けられているにもかかわらず、増殖因子の存在下で培養するとES細胞と同じような分化多能性をもつ胚性生殖細胞へと脱分化する。生殖細胞への分化能と脱分化能を併せ持つ始原生殖細胞が、ゲノム再プログラム化によって分化全能性を獲得する過程に関与するクロマチン修飾機構を解析することを目的として以下の実験を行った。 始原生殖細胞の生化学・分子生物学的解析には、高純度な始原生殖細胞サンプルを調整する必要がある。そこで、マウス生殖細胞で特異的に発現するGFP蛍光を発現するΔPE Oct4-GFPトランスジェニックマウスの胎生14.5日胚から生殖巣を採取し、蛍光フローサイトメトリーを使って始原生殖細胞単離技術の確立を試みた結果、生殖巣一個当たり4x10^3個(メス)から1x10^4個(オス)のGFP陽性細胞を得ることが出来た。 サンプル数の限られた資源生殖細胞のクロマチン修飾状態を解析するには、高感度なクロマチン免疫沈降法の確立が必須である。通常の免疫沈降実験には5x10^7個の細胞が必要とされるが、ショウジョウバエS2細胞をキャリアーとして用いると、細胞数約3000個のマウス初期胚サンプルでクロマチン免疫沈降解析が出来ることを、抗メチル化ヒストン抗体及び抗アセチル化ヒストン抗体による免疫沈降実験で確認した。更に、マウス初期胚の刷り込み調節領域におけるヒストン修飾に、ゲノムの親由来による違いが存在することを示唆する実験結果を得た。
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