1.品種「ササニシキ」は、いもち病菌レース031に対して抵抗性である。この抵抗性は、抵抗性遺伝子Piaによってもたらされる。「ササニシキ」突然変異系統をスクリーンしたところ、レース031に対して感受性の系統が複数得られた。これらの系統で共通に塩基置換を保有する第11番染色体上の遺伝子RGA4を同定した。RGA4の野生型遺伝子で突然変異系統を相補したところ、抵抗性が復帰したため、本遺伝子がPia本体であることを明らかにした。 2.「ササニシキ」および「ひとめぼれ」突然変異系統群の中から、矮性変異体および、匍匐性変異体を単離した。これらの系統をインド稲と交配し、F2を得た。これらの分離個体を用いて、原因遺伝子のマッピングを進めたところ、3遺伝子は既報の遺伝子であったが、2遺伝子は未報告の遺伝子であり、現在相補試験の実施中である。 3.「ひとめぼれ」にいもち病防除剤「プロベナゾール」を処理すると親和性のいもち病菌に対しても抵抗性が誘導される。「ひとめぼれ」突然変異集団約2000系統に「プロベナゾール」処理後、親和性いもち病菌を接種して、抵抗性の付与されなかった系統を1系統選抜した。原因遺伝子単離にむけてmapping中である。
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