本研究は、非政府組織、あるいはNGOが日中関係に与える影響について研究することを目的としている。様々な非政府組織、また、非政府組織と関わっている政府組織に対し、インタービュー調査を行うとともに、同組織の出版物や、日本・中国で出版されている文献、論文等を用いて分析を行って研究を進めている。 本年度は、文献研究のほか、香港と北京に赴き、インタービュー調査を行った。結果、非政府組織というものは、両国関係にとって様々な重要な活動を行っていることが明らかになった。日本の非政府組織は、中国-日本間の貿易支援や会社設立などのビジネス支援行っている。つまり、両国の人々の生活を支援する役割を果たしている。また、今日問題となっている中国における環境問題や社会問題の解決を促し、両国間の相互理解を深めるために、両国の文化や考え方を市民に伝達するという、数多く幅広い活動も行っており、両国関係に強い影響を与えている。しかし、中国国内の情報の公表は政府によって制限されており、また、中国は大国であり、日本の非政府組織の行っている活動は、未だ多くの中国人には知られていないのが現状である。 本年度の研究の成果については、クロアチア、セルビアの学会で「The current state of Japan-China relations and future prospects」と題し公表した。次年度は、イギリスバーミンガム大学で行われる学会、また、Electronic Journal of contemporary Japanese Studiesに公表の予定である。
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