研究課題
本年度は2つのことで非常に進展があった。1)人工と自然のシステムにおけるロバストネス(頑強性)について論をすすめ、国際会議で発表することができた。特に生物システムのロバストネスは、数学的な安定性とは異なり、メカニズムを持って獲得しているものである。たとえば、ホメオスタシスを使った安定性は、微小なノイズに対する応答とは異なるものである。また以下の2)とも関係するが、オープンな環境で自己の境界をつくることで、個体を支える仕組みについても議論した。このロバストネスについて、自律運動する油滴の実験や、ロボットの実験の例を用いて議論し、論文にまとめた。2)オープンな環境での行動の組織化。これまでのロボット研究は閉じた簡単な空間での、迷路をとく問題であった。ここでは一般の部屋の中をロボットを動き回らせて、それを学習することで運動のパターンをつくりあげる。このロボットは、多重センサーのネットワークにHebbian学習を導入し、Legoロボットにプログラムして行なっている。この実験を現在進めているところである。これら以外にも、サイエンスとアートの関係あるいは化学者のアウトリーチング活動としての科学的知識の広報について学会報告をした(また今年度の夏にも国際会議で報告予定である)。また生態系システムの研究を例に、モデルアプローチの優位性と限界について議論し論文にしている。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Proceedings of the 11th International Conference on the Simulation and Synthesis of Living Systems, MIT Press
ページ: 802-802
ページ: 803-803