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2008 年度 実績報告書

壁面進行波を用いた乱流摩擦抵抗低滅デバイスの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 07F07821
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

深潟 康二  慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師

研究分担者 HOEPFFNER Jerome  慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
キーワード摩擦抵抗低減 / チャネル流 / 進行波状吹出し・吸込み / ぜん動運動 / 数値シミュレーション / 弱非線形解析 / FIK恒等式 / エネルギー
研究概要

壁乱流における摩擦抵抗は同じレイノルズ数の層流に比して格段に大きいが,これは壁面近傍のレイノルズせん断応力に起因することが数学的に示されている(FIK恒等式;Fukagata et al.,Phys.Fluids,2002).したがって,乱流摩擦抵抗を低減させるには,壁面近傍のレイノルズせん断応力を低減させれば良い.本研究ではこのアイデアを,壁面の変形によって実現する.本研究により,フィードバック制御に比して大幅に単純で制御効果も大きく,実用化可能性も高い乱流摩擦抵抗低減デバイスを開発できることが予想できる.
本年度は2次元チャネル層流を取り上げ,この壁面にぜん動運動を加えたものと,これと同じ速度を持つ吹出し・吸込み速度を持つ壁面進行波を加えた系の数値シミュレーションを行い,その摩擦抵抗低減効果を比較した.どちらの場合にも通常のポンプによる流量がゼロで一方向の流速が得られ,これは摩擦抵抗低減というより壁面からのポンピング効果であることが説明された.また,ぜん動運動と吹出し・吸込みでは誘起される流れが逆方向となることが示され,その機構が弱非線形理論を用いて境界条件を展開した際に現れる2次の項の影響であると説明された,また,通常のポンプ動力と制御に必要な動力の和の観点から抵抗低減効果を再定義し,層流に対して壁面のぜん動運動あるいは進行波状吹出し・吸込みを行った場合には,同じ流量を得るための制御エネルギーが大きくなることが示された.またその制御動力に対するレイノルズ数の影響はぜん動運動と進行波状吹出し・吸込みでは異なる傾向になることが分かり,これらより既存の吹出し・吸込みを用いた乱流の3次元直接数値シミュレーションの結果はそのまま進行波状壁面運動デバイスの設計には用いることができないことが結論づけられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pumping or drag reduction?

    • 著者名/発表者名
      Hoepffner, J., Fukagata, K.
    • 雑誌名

      Journal of Fluid Mechanics (掲載決定)

    • 査読あり
  • [学会発表] Peristalsis and Hydrodynamic instabilities2008

    • 著者名/発表者名
      Hoepffner, J., Fukagata, K.
    • 学会等名
      XXIIth International Congress of Theoretical and Applied Mechanics (ICTAM)
    • 発表場所
      Adelaide, Australia
    • 年月日
      2008-08-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.fukagata.mech.keio.ac.jp

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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