研究課題/領域番号 |
07F07822
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
SWADHIN K.Behera 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, サブリーダー
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研究分担者 |
IZUMO Takeshi 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, 外国人特別研究員
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キーワード | モンスーン / インド洋 / MJO / ダイポール / エルニーニョ |
研究概要 |
インド洋熱帯域におけるマッデンジュリアン振動(MJO)の特性を調べた。衛星データの外向き長波放射(OLR)、海面水温、および風を解析したところ、熱帯域のMJO変動は30-50日の比較的短い振動数を有し、それは赤道を軸に対称に分布している事がわかった。55-100日の長い周期のMJO変動は赤道の南側、南緯8度付近に分布している事がわかった。長周期側の変動は、海洋上層に強い応答そして海面水温とその昼夜サイクルに明瞭な痕跡を伴っていた。さらに長周期側のMJOはインド洋ダイポール/エルニーニョ南方振動の影響をうけて変調していることが分かった。 また我々の過去の研究を発展させて、インド洋南西熱帯域がインド西岸のモンスーン変動にインパクトを与える事を示した。南西インド洋の湧昇流が弱まるとソマリアとオマーン沖の湧昇流も弱くなり、海面が温かくなる。この高水温は大気に水蒸気を与えそれがインドモンスーンに乗ってインド西岸に運ばれることがわかった。観測データを解析したところ、南西インド洋のセイシェルドーム上で海面水温が異常に温かくなり、そして降水が増えるのに伴って、アラビア海の南西モンスーン風が春の終わりに著しく弱まり、結果として湧昇流も弱まることが分かった。セイシェルドーム上の異常な高水温と多降水は、多くの場合、前年のエルニーニョの状態やインドシナーオーストラリアモンスーンの強さに関係していた。これらの発見をふまえこれから西部熱帯インド洋の観測/予報システムの構築していくことにより、これまで難しかったインドモンスーンの降水の領域スケール予報が改善されることが期待される。
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