研究課題/領域番号 |
07F07836
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
蟹江 憲史 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授
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研究分担者 |
WEBERSIK Christian 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 環境 / 気候変動 / 紛争 / 自然災害 / 持続可能な開発 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
本研究の目的は、地球環境の変化が人間の安全保障に及ぼす影響についての調査である。第一に、干ばつが紛争に及ぼす影響に焦点を当てる。一般的に気候変動は、干ばつ、洪水、暴風などの異常気象の増加を招く。第二に、温暖化の熱帯低気圧への影響と、それによる人々の幸福・健康や暮らしへの影響を探る。 第一点目に関しては、アフリカにおける干ばつの政治的暴力に対する影響を調査する。アフリカの干ばつは、その多くの国々が天水農業に依存していることから、大幅な収入減少の原因となっている。また計量経済学的研究により、マイナス経済成長が国内武力紛争の危険を高めることが知られている。主な研究課題としては、どの程度の環境災害が人間の幸福・健康に影響するかを究明する。例えば、科学者はサヘル地域における気候変動を人為的干渉によるものとし、気候変動を食糧危機や水不足の要因のひとつとみなしている。本研究分担者は、この研究成果をアメリカ国際政治学会(ISA)年次総会にて発表した。 この他、当フェローシップ中に、主にアジア地域で将来増加する熱帯低気圧への気候変動の影響に関する研究も開始した。本研究分担者はこれに関して、各種国際会議で発表するとともに、識者を招聘した日本での発表会などを主催した。この研究は、本研究分担者が既に行っている、ハイチにおける自然災害の長期的開発への影響に関する研究とも関連している。 第三に、森林減少や森林劣化などによる[温室効果ガス]排出削減による気候変動の抑制に焦点を当てた研究も行う。これは国連大学高等研究所のポスト・ドクトラル・フェロー二名と共同で、森林経営と気候変動に関する国連大学政策リポート中の一章を出版し、また2008年ポーランド・ポズナンで開催された気候会議でのあるサイド・イベントにて発表した。(751字)
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