研究課題
映像撮影装置を組み込んだ空気振動観測装置の作成を開始した。今年度は特にカメラモジュールからのデータにGPS時刻をリアルタイムで埋め込むための装置開発を行い、PCベースの可般型動画作成装置を作成した。諏訪之瀬島で行った火山噴火テスト観測では、火山灰の舞う中という悪条件下での使用にはまだ問題があり、システムハード面はまだ実用レベルにないことがわかった。他方、画像取得プログラムはほぼ実用可能レベルであることを確認した。また、桜島のブルカノ式噴火で発生する空気振動現象について、既存観測装置を利用した映像・低周波マイクロホンとの同時観測も行った。そして観測結果から、山頂火口の爆発的噴火発生の瞬間に、火口底の破裂現象が起きていることを明らかにした。それは、これまで暗黙の了解とされてきた「瞬間的な」現象ではなく、0.5秒程度の有限時間かけて発生するものであった。つまり、爆発地震に励起された浅部ガスたまりの膨張開始とほとんど同時に火口底での膨張も開始し、およそ1m程度の火口底上昇ののち破裂にいたる。破裂にいたるまでに発生する空気振動は、微弱でかつ緩慢な圧力上昇で特徴付けられる「先行相」と呼ばれるフェーズとなる。その後、火口底の破壊が起きることで、ガス溜り本体からの高圧ガス放出がおき、これが衝撃波として火口からおよそ1kmの距離まで伝播する。観測点では「主要相」と呼ばれる急峻で大振幅の圧縮相が観察される。これとは別に、2007年5月〜6月の昭和火口噴火での観測により、弱い火山灰放出の発生と同期して、1Hzあたりにピーク周波数を持つ微動型の空振が発生していたことも明らかになった。
すべて 2007
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火山 52
ページ: 121-126
Earth, Planets and Space 59
ページ: 177-181
Annuals of Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University 50
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