• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

異種ゲノム由来配列の遺伝子機能獲得機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07J00158
研究機関東京大学

研究代表者

上田 実  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード遺伝子転移 / ミトコンドリア / 葉緑体 / リボソーム蛋白質
研究概要

本研究によって得られた知見を以下に記す
(1)葉緑体から核へ転移した遺伝子の同定と転移機構の解明 ポプラの葉緑体ゲノムから消失したことが明らかとなっているリボソームタンパク質遺伝子であるrps16とrpl32について解析を行った。解析の結果、核ゲノムで機能するrps16とrpl32ともに単離することができた。rpl32については、葉緑体から核へ転移した後に核ゲノム内に存在する葉緑体Cu-Znスーパーオキシドジスムターゼ遺伝子から葉緑体移行シグナルを獲得することで、遺伝子転移を成立させていたことが判明した。
rps16についてばマメ科植物であるタルウマゴヤシにおいても同様に葉緑体ゲノムから消失していることが報告されていたので、ポプラとタルウマゴヤシにおいて解析を行ったところ、ミトコンドリア由来のrps16がミトコンドリアと葉緑体へのDual targetingシグナルを獲得することで、葉緑体ゲノムにコードしてあったrps16と置換されたことが明らかとなった。この現象はイネやシロイヌナズナなどの他の高等植物についても広く確認でき、葉緑体ゲノムにコードしてあるrps16は、高等植物が誕生したごく初期の段階で、ミトコンドリアに由来するrps16による置換が進行していることが示唆された。本研究により、Dual targetingシグナル獲得による遺伝子置換の例を世界で初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Loss of the rp/32 gene from the chloroplast genome and subsequent acquisition of a preexisting transit peptide within the nuclear gene in Populus2007

    • 著者名/発表者名
      Ueda M, Fujimoto M, Arimura S, Murata J, Tsutsumi N, Kadowaki K.
    • 雑誌名

      Gene 402

      ページ: 51-56

    • 査読あり
  • [学会発表] Evidence for transit peptlde acqulsltion through duplication and subsequent frameshift mutation of a preexisting protemgene ln rice2007

    • 著者名/発表者名
      Ueda, M., Fujumoto, M., Arlmura, S., Tsutsumr, N, Kadowekl, K., 他
    • 学会等名
      10th International Coiloquium on Endocytobiology and Symbiosis
    • 発表場所
      Gmunden,Austria
    • 年月日
      2007-09-10

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi