銀河系内で超新星残骸が集中する領域CTB37Aをチェレンコフ望遠鏡HESSで観測した結果、超新星残骸及び分子ガス分布と一致する領域からTeVエネルギーガンマ線放射が有意に検出された。起源としては高エネルギー電子の逆コンプトン散乱、中性π中間子崩壊の両方が考えられる。 X線CCD高速信号処理用アナログASICを開発した。現在軌道上のX線天文衛星搭載のCCDカメラに対して、約20倍の速度での信号処理が可能となるシステムを開発した。ASICの単体性能及びCCDチップとの接続試験の結果、既存システムに匹敵する雑音性能を達成した。 我々の銀河系中心に位置するいて座C領域の巨大分子雲をすざく衛星で観測し、銀河系内で最も強い等価幅を示す中性鉄輝線を発見した。等価幅の強さから、外部からの強いX線放射により中性鉄が光電効果を起こした結果であることを明らかにした。これは前年に別の著者が、チャンドラ衛星の観測データから低エネルギー宇宙線の散乱であるとした説を覆す新発見となった。さらに今回の観測結果から、約300年前に銀河中心の超巨大ブラックホールが現在の百万倍の明るさであったことが分かった。また同領域の観測から超新星残骸(SNR)候補を発見した。高温プラズマの温度は約1千万度、熱的エネルギーは10の50乗ergと、典型的な単一の超新星残骸と一致するが、他のSNRには見られない大規模な吹き出し構造が見つかった。今後の詳細観測が望まれる。
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