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2008 年度 実績報告書

シアノバクテリアにおける光受容色素合成酵素の構造機能解析に基づく機能デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 07J01065
研究機関大阪大学

研究代表者

萩原 義徳  大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード構造生物学 / ビリン色素 / フェレドキシン依存性ビリン還元酵素 / ビリベルジンIXα / PcyA / X線結晶構造解析 / 反応中間体
研究概要

高等植物、紅藻、ラン藻は、ビリン色素を光受容、光合成に利用している。ビリンはヘムの代謝産物のビリベルジンIXα(BV)から、フェレドキシン依存性ビリン還元酵素(FDBR)によって合成される。FDBRファミリーのうちのPcyAはフェレドキシンから電子を受け取り、BVを2段階反応で部位特異的に還元する。すなわちPcyAは、まずBVのD環ビニル基を還元して18^1,18^2-dihydro-BV(18BV)を生成し、次に18BVのA環を還元してフィコシアノビリンを生成している。このことは、PcyAがBVの非対称性を区別し、還元順序を制御する特異な分子機構を持つことを示す。これまでにシアノバクテリアSynechocystis sp.PCC 6803由来のPcyAとPcyA-BV複合体のX線結晶構造解析を行い、FDBRにおいてPcyAの立体構造を初めて明らかにした。これら結晶構造を基にPcyAの活性残基や基質認識機構を示した。PcyA反応機構の更なる構造学的基盤を得るため、反応中間体の構造解析を試み、中間産物18BVとそのアナログBV13のPcyAとの各複合体の結晶構造を1.48Å、1.04Å分解能で解析した。これにより、活性残基のうちのE76は反応過程において構造変化することが判明し、E76が還元順序を制御していることを示唆した。反応制御に対するE76の寄与を明らかにするため、E76変異体の生化学的解析を行うこととした。すなわち、E76変異体によるBV還元を行い、HPLC等を用いて生成物を同定する。既に変異タンパク質の大腸菌による大量発現系を構築し、精製を行った。結晶構造解析も生化学的解析の強力なツールとなるため結晶化条件を検討したところ、E76Q、E76DのBV複合体の微結晶が析出したため、その条件を最適化している。本研究により、2段階反応の制御機構の解明が期待できる。なお、本研究により第8回日本蛋白質科学会年会若手ポスター賞を受賞した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Snapshots in the reaction pathway of bilin reductase PcyA2008

    • 著者名/発表者名
      Yoshinori Hagiwara
    • 学会等名
      XXI Congress of the International Union of Crystallography
    • 発表場所
      グランキューブ大阪
    • 年月日
      20080828-20080829
  • [学会発表] ビリン還元酵素の反応経路における段階別スナップショット Snapshots along the reaction pathway of bilin reductase PcyA2008

    • 著者名/発表者名
      萩原義徳
    • 学会等名
      第8回日本蛋白質科学会年会
    • 発表場所
      タワーホール船堀
    • 年月日
      2008-06-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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