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2007 年度 実績報告書

量子・分子動力学と臨床医工学を融合した分子デバイスの新機能創成

研究課題

研究課題/領域番号 07J01289
研究機関大阪大学

研究代表者

花崎 逸雄  大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード機械工学
研究概要

本研究は量子・分子動力学を中心とする理論計算手法を効果的に用い臨床医工学に役立つ知見を得ることを目的としている.当該年度では,まず,分子動力学法と量子力学計算を併用してカーボンナノチューブ(CNT)と水分子の相互作用に関する解析を行った.近年,CNTは微小流路として注目を集めているが,その中でも特に生体における微小管との類似性が指摘されている直径の小さなCNTと水分子との相互作用によって発現する機能性に注目して解析を行った結果,CNT内で水分子は低密度においても水素結合を介して分子鎖を形成してその集団構造の安定性が維持され,また,平衡状態におけるそのような水分子鎖の電荷分布は分子配置の空間的拘束による影響が支配的であることを示唆する結果を得た.次に,人工的なデバイス基板と生体分子との整合性について検討するべく,水中のシリコン基板表面近傍におけるリゾチーム分子の挙動を解析し,1分子計測技術による拡散挙動の実験観測結果との比較を行った.その結果,バルクの溶液中に比べて基板近傍において著しく拡散係数が低下するという実験結果と対応する解析結果が得られた.また,基板の表面状態がリゾチームの吸着現象に与える影響を分子動力学法により追究した結果,シリコン基板の表面が酸化膜に覆われていることによって,リゾチーム分子は基板に吸着されながらも大変形することなく維持されることがわかった,生体分子の機能発現はその構造に大きく依存しているため,この結果は,純粋なシリコン基板よりも酸化膜で覆われているシリコン基板の方が生体分子の機能を工学的に応用する用途において効果的であるということを意味している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structure and Stability of Water Chain in a Carbon Nanotube2008

    • 著者名/発表者名
      Itsuo Hanasaki, Akihiro Nakamura, Toru Yonebayashi, and Sato yuki Kawano
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Condensed Matter 20

      ページ: 015213(7)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Single-molecule measurements and dynamical simulations of protein molecules near silicon substrates

    • 著者名/発表者名
      Itsuo Hanasaki, Hiroto Takahashi, Gen Sazaki, Kazuo Nakajima, and Satoyuki Kawano
    • 雑誌名

      Journal of Physics D: Applied Physics (accepted)

    • 査読あり
  • [学会発表] 水中のシリコン基板近傍におけるリゾチームの分子動力学解析2007

    • 著者名/発表者名
      花崎逸雄, 川野聡恭
    • 学会等名
      日本機械学会2007年度年次大会
    • 発表場所
      吹田市
    • 年月日
      2007-09-09

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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