研究課題
西部赤道太平洋の4つのサイトで採集された海水の硝酸の窒素・酸素同位体比の測定を行った。そり結果、パプアニーギニアに近い南側の2つのサムイトの水深100m付近り海水は、5‰前後の比較的低い窒素同位体比を示すことが明らかにがなった。これは、この海域で、東西方向について行われた先行研究で示唆された、海洋の外から(大気からの乾性・湿性沈着や河川流入)の窒素の供給が起こっているためであると考えられる。本研究では、北側のサイトよりも南側のサイトの方が低い窒素同位体比を示しか。このことから、この低い窒素同位体比を示す窒素は、パプアニューギニアに近い南側から当海域へ供給されていることが示唆された。また、硝酸の窒素・酸素同位体比の比は,全サイトでほぼ1:1を示した。このことから、この海域の水塊は、窒素ともに酸素の同位体比も低いことが考えられ、これらの結果から、西部赤道太平洋には、河川起源の窒素の供給が起こっていることが示唆された。TSUBAMEへ移植したメリーランド大学の窒素固定過程を含む海洋窒素循環モデルを用いて、大西洋における窒素循環メカニズムについての解析を行った。N*は、窒素固定と脱窒の指標であり、通常の海域で起こる生物生産ではほとんど変化しない値である。これまでに行われた海洋観測の結果から、大西洋の亜表層において、窒素固定の影響を受けた水塊であることを示す「N*値の高い水塊(約3)」が、窒素固定の起こっている亜熱帯海域からはずれか北部北大西洋まで広がっていろことが知られていた。本研究では、この要因を解析するため、移流に関する数ケースの感度実験を行った。その結果、亜熱帯域表層で窒素固定によってできたN*値の高い水塊は、表層流にのって北上しためち、北部北大西洋の深層水生成域で沈みこみ、その結果、北部北大西洋の亜表層水は高いN*値を示すことが明らかになった。
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Journal of Geophysical Research Biogeosciences 113
ページ: doi : 10.1029/2007JG000570