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2007 年度 実績報告書

高感度同位体顕微鏡システムの開発と隕石への応用

研究課題

研究課題/領域番号 07J02997
研究機関北海道大学

研究代表者

坂本 直哉  北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教

キーワード隕石 / 炭素質コンドライト / 同位体 / 酸素 / 太陽系 / 二次イオン質量分析法 / イオン検出器 / 高感度化
研究概要

最近、申請者は同位体顕微鏡を用いて炭素質コンドライトAcfer 094から太陽系で最も17Oと18Oに富む物質を発見した。同位体顕微鏡とは、二次イオン質量分析装置と独自開発の二次元イオン検出器を組み合わせた、固体表面微小部分の同位体比変動の空間分布を分析可能な装置である。この物質の酸素同位体組成は、原始太陽系星雲の始源水を反映していると示唆されており、その存在の普遍性を調べることは初期太陽系形成時の物質進化を解明する上で重要である。本研究では、同位体顕微鏡を高感度化したシステムを開発することにより、他の隕石においてこの物質を迅速に探索することを目的としている。高感度化のために、検出器の蓄積信号を複数回読み出して平均化処理を行う読み出し方式を採用し、読み出しノイズxの低減を図った。その結果、読み出し回数に応じてノイズが低減され、この方式が有効であることを確認できた。また、信号強度が微弱な場合の読み出し方式を確立し、最適な読み出し回数を定式化した。これらの読み出し方式を最適化するための新しい制御システムを開発した。このシステムでは、必要な全てのモジュールが同一の工業用シャーシに格納され全てLabVIEWソフトェアで制御しており、駆動パルスの生成コードのVHDLからLabVIEWへの移植、駆動電圧の変更を容易にしたことにより柔軟な分析の最適化が可能となった。このシステムを同位体顕微鏡に取り付けて動作することを確認した。17Oと18Oに富む物質は磁鉄鉱と硫化鉄から構成されるが、Acfer 094には磁鉄鉱がほとんどない。
そこで、11種類の隕石について電界放出型電子顕微鏡を用いて観察し、各隕石に含まれる磁鉄鉱と硫化鉄の比率の違いから分析候補を選定する指標を得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Remnants of the Early Solar System Water Enriched in Heavy Oxygen Isotopes.2007

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, N., Seto, Y., Itoh, S., Kuramoto, K., Fujino, K., Nagashima, K., Krot, A.N., and Yurimoto, H.
    • 雑誌名

      Science 317

      ページ: 231-233

    • 査読あり
  • [学会発表] Discovery of 17, 18-O-rich material from meteorite by direct-imaging method using stigmatic SIMS and 2D ion detector.2007

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, N., Itoh, S. and Yurimoto, H.
    • 学会等名
      The 16th International Conference on Secondary I on Mass Spectrometry, SIMS XVI
    • 発表場所
      石川県立音楽堂(金沢)
    • 年月日
      20071029-1102
  • [学会発表] Origin of 17,18O-rich materials from Acfer 094.2007

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto, N., Seto, Y., Itoh. S., Kuramoto, K., Fujino, K. Nagashima, K., Krot, A. N. and Yurimoto, H.
    • 学会等名
      70th Annual Meeting of the Meteoritical Society
    • 発表場所
      JW Marriott Starr Pass Resort & Spa (Arizona, USA)
    • 年月日
      20070813-17
  • [学会発表] X-ray diffraction and transmission electron microscopic studies of new-PCP from Acfer 094 carbonaceous chondrite.2007

    • 著者名/発表者名
      Seto, Y., Sakamoto, N., Fujino, K. and Yurimoto, H.
    • 学会等名
      70th Annual Meeting of the Meteoritical Society
    • 発表場所
      JW Marriott Starr Pass Resort & Spa (Arizona, USA)
    • 年月日
      20070813-17
  • [学会発表] 太陽系の始原水の痕跡:始原的隕石から発見したO-17とO-18に富む物質2007

    • 著者名/発表者名
      坂本直哉;瀬戸雄介;伊藤正一;倉本圭;藤野清志;永島一秀;Krot Alexander N.;圦本尚義
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2007年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ、(千葉)
    • 年月日
      20070519-24

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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