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2010 年度 実績報告書

中世寺院における願文作品の文学史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07J03325
研究機関筑波大学

研究代表者

米田 真弓 (中川 真弓)  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード日本中世文学 / 願文 / 菅原為長 / 金剛寺 / 無名仏教摘句抄 / 宝泉寺 / 書写山
研究概要

本研究の柱の一つは、日本中世における願文執筆活動を明らかにすることである。その研究の始発として、中世菅家の礎を築いた菅原為長(1158~1246)に着目した。実用的・幼学書的性格を有するものが多く、作文集・作例集の存在も留意される為長の著作のうち、子孫・後世に影響を与えたと考えられる願文集である『菅芥集』(『続群書類従』所収「願文集」の本来の書名)を取り上げ、各願文を読み解くことによって為長の執筆活動を明らかにし、さらには願主ならびに供養対象者の伝記史料しての位置付けをおこなった。特に書写山円教寺関連の願文に着目し、為長による「性空上人伝」の文献的利用について明らかにして、これを論文にまとめた(「祖師の伝記-菅原為長と性空上人伝-」、阿部泰郎編中世文学と隣接諸学2『中世文学と寺院資料・聖教』竹林舎)。当論文によって、菅原為長の執筆活動だけではなく、中世初期における書写山円教寺の状況の一端が明らかになったと考える。
また、研究のもう一つの柱としている寺院調査については、以前より参加している金剛寺科研調査(科研代表者:後藤昭雄氏成城大学)において、仁木夏実氏と共同で同寺所蔵の「無名仏教摘句抄」を閲覧・調査し、解題および影印と翻刻の紹介をおこなった(「金剛寺蔵『無名仏教摘句抄』-解題と影印・翻刻」)。さらに、岡山県倉敷市日差山宝泉寺の所蔵資料調査についても、引き続き現地での調査・検討をおこなった。今後も所蔵者の許可を得て、目録の作成作業を続ける予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 金剛寺蔵『無名仏教摘句抄』-解題と影印・翻刻2011

    • 著者名/発表者名
      仁木夏実・中川真弓
    • 雑誌名

      後藤昭雄編科学研究費(B)課題番号19320037「真言密教寺院に伝わる典籍の学際的調査・研究-金剛寺本を中心に-」研究成果報告書(平成22年度)

      ページ: 75-140

  • [雑誌論文] 祖師の伝記-菅原為長と性空上人伝-2010

    • 著者名/発表者名
      中川真弓
    • 雑誌名

      中世文学と隣接諸学2『中世文学と寺院資料・聖教』(阿部泰郎編)(竹林舎)

      ページ: 204-215

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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