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2007 年度 実績報告書

「都市下層文化」における「伝統」の研究-露店商いの日韓比較

研究課題

研究課題/領域番号 07J04310
研究機関神奈川大学

研究代表者

厚 香苗  神奈川大学, 歴史民俗資科学研究科, 特別研究員(PD)

キーワード民俗学 / 露店商 / インフォーマル・セクター / 都市 / 青森県 / 丑湯 / 温泉街 / 祝祭化
研究概要

1、露店商集団の調査・研究
青森県津軽地方において、弘前露店商業組合と黒石露店商業組合の調査・研究を実施した。弘前露店商業組合には平成六年に定められた規約がある。この規約は、組合の性格や組合員同士の関係性を初めて明文化したとして組合員から高く評価されている。次年度以降、この規約にみられる慣行を民俗学的な視点から分析する予定である。黒石露店商業組合には明文化された規約はなく、組合長の裁量に組合員の結束がゆだねられてきたといわれている。しかし記録がなく詳細な聞き取りも困難で言説の妥当性を検討することはできなかった。
2、丑湯まつりの調査・研究
青森県黒石市の温湯温泉、同むつ市の薬研温泉において、温泉旅館の経営者に対して聞き取り調査をおこなった。「土用の丑の日に温泉に入ると無病息災」とは青森県でよく聞かれる俗信で、「丑湯」といわれる。温湯温泉では近隣の農家の人びとが無事に農繁期を乗り切って、疲れた心身をいやすのが「丑湯」であった。それゆえ温泉滞在時には娯楽が求められたし、その需要に応える露店商も黒石市内にいたため温泉街が露店で賑わった。一方、薬研温泉では遠方からの客が行楽で訪れることが多く、最寄りの町場である田名部から離れていることもあり、「丑湯」のときにも祝祭空間は形成されなかった。このように温泉地をとりまく地域の環境と客のライフスタイルが、「丑湯」の祝祭化に影響していることがあきらかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「千葉県酒々井町のいわゆる双体道祖神」2007

    • 著者名/発表者名
      厚 香苗
    • 雑誌名

      『西郊民俗』 200・201

      ページ: 30-36

  • [学会発表] 「香具師系露店商の民俗学的研究-21世紀初頭の東京地方における事例を中心にして」2007

    • 著者名/発表者名
      厚 香苗
    • 学会等名
      長野県民俗の会
    • 発表場所
      松本市立博物館
    • 年月日
      2007-11-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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