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2007 年度 実績報告書

ミシェル・フーコーの思想の総合的把握と現代的意義

研究課題

研究課題/領域番号 07J05104
研究機関京都大学

研究代表者

相澤 伸依  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードM・フーコー / 講義録 / リベラリズム / 生政治 / 公衆衛生 / 生権力 / 健康概念 / 生命倫理
研究概要

平成19年度前半(4月〜10月)は、フランスのボルドー第三大学にて、Guillaume le Blanc教授の指導を受けて研究を進めた。同教授は、カンギレムおよびフーコーの専門家である。報告者は、同教授の指導のもと、(a)『言葉と物』および『知の考古学』に示されている、フーコーの方法の独自性をテーマに研究を進めた。すなわち、フーコーが唱えた考古学とは、「新しい歴史学」や同時代の思想と何が異なるのか、この問いを出発点として、歴史を通じて哲学するというフーコーの哲学的方法の独自性と妥当性を問おうとした。このテーマについては、平成20年度中に論文にまとめる予定である。
この作業と平行して、(b)近年刊行されたフーコーの講義録『安全・領土・住民』『生政治の誕生』を読み進めた。これらの講義では新たな概念として「統治性」が提示されているが、「統治性」とそれまでフーコーが展開していた権力についての議論がどう関係するかは明確ではない。そこで、この点を明らかにしつつ、1979年の講義をフーコー思想に位置づける作業を行い、上記論文("Foucault et le lib ralisme-sur les cours au Coll ge de France des ann es 1978-1979")まとめた。
平成19年度後半(10月末〜翌3月)は、水谷雅彦京都大学教授指導のもと、上記(a)の研究を継続しつつ、応用倫理学の一環として公衆衛生の倫理学の研究を進めた。フーコーには医療の歴史をとりあげた論文が複数あり、彼の提出した生権力という概念は医療がはらむ権力性を批判する鍵となるものである。この研究を通じて得られた知見は、平成20年度中に学会発表する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 「フーコー『知への意志』における方法」2007

    • 著者名/発表者名
      相澤 伸依
    • 雑誌名

      倫理学研究 第37号

      ページ: 116-126

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Foucault et le lib ralisme-sur les cours au Coll ge de France des ann es 1978-19792007

    • 著者名/発表者名
      相澤 伸依
    • 雑誌名

      実践哲学研究 第30号

      ページ: 47-67

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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