研究概要 |
多角形から構成される平面/空間の幾何学図形に基づき,申請者はこれまで様々なコア構造を創製してきた.平成21年度前半はオクテット・トラス型コアパネル,「ダイアコア」の音響,振動特性に関して研究を行った. 振動特性に関しては,鋼板からプレス加工により試作パネルを製作し,自由支持条件下でインパクトハンマーを用いた加振実験を行い,基本的な振動特性を明らかにした.また有限要素法による固有値解析を行い,板厚,パネル厚,セルサイズと固有振動数との関係を明らかにした.また音響特性に関しては木製の遮音箱を製作し,PET製ダイアコアパネルの遮音試験を行い,基本的な遮音特性を明らかにした.パネルと同じ材質の平板及び間に空気を挟んだ二重壁に対しても同様の試験を行い,ダイアコアパネルの試験で得られた値と比較した. 21年度後半は,周期的な切り抜き,スリットを導入した平板から折り曲げのみによって製作される軽量コアパネルに関して,先進複合材料を用いた新しいモデルの創製を行った.まず,カーボン/エポキシ複合材シートにおいて,折線部のみシリコンを含浸させることによって折り曲げ可能なCFRPシートを製作する手法を研究した.またエポキシ含浸時に紙製のマスクを用いることで,自由な折パターンを描く手法を開発した.この手法により折紙のような複雑な折線パターンをCFRP上で実現することが可能となった.上記手法を応用することで,シリコンによってグリッド状の折線を導入したCFRPシートに周期的な短形の切り抜きをいれ,立体化することによってCFRPコアパネルを製作した.また,アルミ合金製の型を製作することによりコルゲート状のCFRPを製作し,周期的に切抜きを入れジグザグに折り曲げることで製作される新しいCFRP製の折紙ハニカムコアを創製した.さらにシリコンによって折線パターンを変化させることで,曲面,テーパー型等の様々な形状を持つCFRPハニカムを製作した.
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