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2008 年度 実績報告書

アリヅカコオロギ類における化学擬態システムの進化と寄主特異性

研究課題

研究課題/領域番号 07J06495
研究機関信州大学

研究代表者

小松 貴  信州大学, 理学部, 特別研究員(DC1)

キーワードアリヅカコオロギ属 / DNA / 寄主特異性 / 生物地理 / トレードオフ / 体表炭化水素 / 分子系統解析 / 化学擬態
研究概要

国内においては対馬、奄美諸島において、また海外では南米(エクアドル)においてアリヅカコオロギ属の採集を行った。これに加え、共同研究者の丸山宗利氏(九大博)から日本の小笠原諸島産、そしてヨーロッパ(ドイツ)産のアリヅカコオロギ属のサンプル提供を受けた事により、日本産アリヅカコオロギ属に関してはその分布上重要な地域ほぼ全てからのDNA解析用サンプルを入手することができた。さらに、ヨーロッパ産サンプルを得ての分子系統解析を行うことにより、よりグローバルな本属内における系統進化の歴史を生物地理的な視点から論じることが可能となった。
また、日本産アリヅカコオロギ属において寄主傾向に著しい差が見られる南西諸島の2種に関してアリ巣内における行動、複数種のアリ巣内における生存率の違いを検証し、属内におけるこれら性質の違いが寄主アリに対する効率よい搾取と、多数種の代理寄主利用の間のトレードオフに起因している可能性を示唆した。
さらに、寄主傾向の異なる2種のアリヅカコオロギに関して、寄主アリ巣内に生息する個体と寄主アリから一定期間隔離した個体とで体表炭化水素組成をガスクロマトグラフィーで分析し、特定寄主アリのみに寄生するスペシャリスト種は多数種アリに寄生するジェネラリスト種よりもアリと同一の炭化水素を体表に保持する能力が著しく高いことが判明した。この結果を基に、分子系統解析と関連させて属内の化学擬態システムの獲得法の変遷を検証することが可能になった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] mtDNA phylogeny of Japanese ant crickets (Orthoptera : Myrmecophilidae) : Diversification in host specificity and habitat use2008

    • 著者名/発表者名
      Takashi Komatsu, Munetoshi Maruyama, Shouhei Ueda, Takao Itino
    • 雑誌名

      Sociobiology 52

      ページ: 567-577

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 好蟻性昆虫アリヅカコオロギ属の寄主アリおよびハビタット特異性の進化-ならびにアリヅカコオロギの知られざる採集法-2008

    • 著者名/発表者名
      小松貴
    • 雑誌名

      蟻 31

      ページ: 69-75

    • 査読あり
  • [学会発表] 寄主アリ及びハビタット特異性からみた好犠牲昆虫アリヅカコオロギ属 Myrmecophilus の分子系統2009

    • 著者名/発表者名
      小松貴, 丸山宗利, 市野隆雄
    • 学会等名
      日本生態学会全国大会ESJ56
    • 発表場所
      岩手県立大学
    • 年月日
      2009-03-18
  • [学会発表] アリヅカコオロギ属 Myrmecophilus(バッタ目:アリヅカコオロギ科)におけるスペシャリスト種とジェネラリスト種の寄主アリ巣内での行動および生存の違い2008

    • 著者名/発表者名
      小松貴, 丸山宗利, 市野隆雄
    • 学会等名
      日本昆虫学会第68回大会
    • 発表場所
      香川大学
    • 年月日
      2008-09-15

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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