「すざく」衛星については、搭載されている硬X線検出器(HXD)の時刻付け校正とSN1987Aのパルサー探索を行った。パルサー探索については、現時点では有為な信号は見つかっていないので、引き続き探索を行う予定である。さらに、質量降着型X線パルサーHer X-1からは、これまでにはっきりと検出されてこなかったサイクロトロン第二共鳴吸収を、HXDのGSOシンチレータを用いて検出できた。これは、PASJ第二すざく特集号に掲載予定である。加えて、超強磁場をもつといわれるマグネター候補天体Anomaloux X-ray Pulsar 4U 0142+61からの10keVを超える硬X線放射を検出することに成功した。これについては現在、詳しい解析を進めている。最後に、2007年度12月前後にアウトバーストしたGRO J1008-57という質章降着型X線パルサーについてもサイクロトロン共鳴を見つけるべく、探索を行っている。一方で、地上実験として、日本海沿岸の冬季雷雲からのガンマ線放射を2回のイベントとして検出することに成功した。これは、地球近傍において電子がMeV領域まで加速されているという新しい発見である。今年度末には、雷雲からのガンマ線放射を小型衛星によって検出しようという計画にも参画し、検出器を製作中である。
|