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2008 年度 実績報告書

重力観測を用いた高精度・リアルタイム火山噴火予知

研究課題

研究課題/領域番号 07J07267
研究機関東京大学

研究代表者

風間 卓仁  東京大学, 地震研究所/大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード重力観測 / 火山噴火予知 / 地下水 / 浅間山 / 数値シミュレーション / 桜島
研究概要

本研究の目的は、絶対重力計を用いて高精度かつリアルタイムな火山活動モニタリングを実現することである。採用2年度目に当たる平成20年度は、桜島・有村観測坑道での重力連続観測に従事した。これは、最近活動が活発になっている昭和火口の活動を監視する目的である。7ヶ月間にも及ぶ連続観測の結果、火山活動に伴う最大10マイクロガルの重力変化が検出された。この重力変化は、火山中を上昇するマグマの影響で、観測点が受ける万有引力の値が変動したためと考えられる。このように、重力観測を火山地域に適用すればマグマの位置を直接観測できるので、本手法は火山噴火予知にも応用できるものと期待される。
また、重力観測においてノイズ源となる地下水擾乱の問題を解決するため、地下水と重力の同時観測を昨年度に続いて実施した。岩手県奥州市水沢区の国立天文台では、地表水分観測と超伝導重力計による重力観測を行った。その結果、降雨や地下水流動に伴う数マイクロガルの重力変化を検出した。また、浅間山で冬季に行われ九重力観測では、10マイクロガル程度の重力変化が観測された。この原因には、積雪の融解や、夏場の降水の深部への浸透など、複数の原因が考えられる。
今後は、これらの地下水擾乱を計算機上でシミュレートし、観測された重カデータとの比較を行っていきたい。また、観測データから計算値を差し引くことで、火山活動起源の重力変化を抽出し、火山内部の質量移動プロセスの解明に努めたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 浅間山における人工地震探査:探査の概要と初動の走時について2008

    • 著者名/発表者名
      青木陽介
    • 雑誌名

      地震研究所彙報 83

      ページ: 1-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] シントレックス重力計連続観測による降雨・地下水流動に伴う重力変化の検出-2007年台風9号、浅間火山観測所の場合-2008

    • 著者名/発表者名
      名和一成
    • 雑誌名

      測地学会誌 54

      ページ: 59-67

    • 査読あり
  • [学会発表] 桜島火山における絶対重力連続観測2008

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁
    • 学会等名
      日本測地学会講演会
    • 発表場所
      北海道函館市
    • 年月日
      2008-10-23
  • [学会発表] 桜島火山における絶対重力連続観測2008

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁
    • 学会等名
      日本火山学会秋季大会
    • 発表場所
      岩手県盛岡市
    • 年月日
      2008-10-11
  • [学会発表] Hydrological modeling of groundwater disturbance in gravity data to detect volcanic signals-Application to Asama volcano, central Japan-2008

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁
    • 学会等名
      AGU Western Pacific Geophysics Meeting
    • 発表場所
      オーストラリア・ケアンズ
    • 年月日
      2008-07-29
  • [学会発表] GPSマルチパスを用いた土壌水分観測〜浅間山への適用例2008

    • 著者名/発表者名
      風間卓仁
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2008年大会
    • 発表場所
      千葉県千葉市
    • 年月日
      2008-05-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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