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2008 年度 実績報告書

N体シミュレーションを用いた銀河中心部における星団の進化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07J07797
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 通子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードN体シミュレーション / 星団 / 銀河系 / 銀河中心 / 中間質量ブラックホール
研究概要

本研究の目的は、星団も銀河もN体で表現したシミュレーションを行い、銀河系の中心部で見つかっている様々な構造の起源を明らかにすることである。そして、このような計算は星団の進化を正しく得るために必要不可欠である。しかし、従来の計算方法では時間がかかりすぎるため、新しい計算方法(BRIDGE)を開発した。これは、高精度が必要な星団のみをダイレクト法で解き、粒子数が多いが精度はそれほど高くなくてもよい銀河は近似アルゴリズムであるツリー法を使う方法である。そうすることによって、星団に必要な精度を保ちつつ全体を高速に計算できる。BRIDGEによって計算時間は大幅に縮小され、世界で初めて、銀河中での星団の進化を星団・銀河共にN体で計算することに成功した。昨年度は、シンプルなN体計算のみであったが、今年度は、星団中の星の合体から中間質量ブラックホールの形成を取り入れ、銀河中心部での星団の進化を追った。
その結果、星団の内部で星の暴走的合体が起き、中間質量ブラックホールが形成されると、星団によってある程度銀河中心付近まで運ばれた星が、そこから先は、中間質量ブラックホールとの平均運動共鳴によって銀河中心へと運ばれることがわかった。これは、今まで考えられていた、星団にバウンドした星が運ばれるというメカニズムとは異なる、新しいメカニズムである。このメカニズムによって、S-starと呼ばれる、銀河中心ブラックホールから数100AUのところにある星の形成メカニズムが説明できるかもしれない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A multiphysics and multiscale software environment for modeling astrophysical systems2009

    • 著者名/発表者名
      Portigies Zwart, S., McMillan, S., Harfst, S., Derek, G., Fujii, M., et al.
    • 雑誌名

      New Astronomy 14

      ページ: 369-378

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolution of Star Clusters near the Galactic Center : Fully Self-consistent N-body Simulations2008

    • 著者名/発表者名
      Fujii, M., Iwasawa, M., Yoko, F., Junichiro, M.
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 686

      ページ: 1082-1093

    • 査読あり
  • [学会発表] 銀河中心部における複数星団系の進化2008

    • 著者名/発表者名
      藤井通子
    • 学会等名
      日本天文学会2008年秋季年会
    • 発表場所
      岡山理科大学
    • 年月日
      2008-09-13

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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