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2007 年度 実績報告書

ナノ複合化炭素材料の水素貯蔵能を支配する固相間相互作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07J08241
研究機関広島大学

研究代表者

宮岡 裕樹  広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード水素貯蔵物質 / グラファイト / ボールミリング / 水素化リチウム / 固相-固相反応
研究概要

1.ナノ構造化グラファイトの水素吸蔵サイトに関する研究
ナノ構造化グラファイトの水素吸蔵機構について,英国オックスフォード大学との共同研究として,電子スピン共鳴(ESR)方を用いた調査を行った。その結果,ボールミリング法を用いた水素雰囲気下での機械粉砕処理の過程で,グラファイト構造の破壊が進行し,それに伴い活性な電子状態(不対電子)が生成されることがわかった。従って,ナノ構造化グラファイトの水素吸蔵サイトは,グラフェンのエッジ,或いは欠陥構造であることが示唆された。さらに,ナノ構造化グラファイトの作製時に,ミリングボール及び容器から鉄が混入した場合,その鉄がアモルファス状態のFe-C化合物を形成し,水素吸蔵/放出特性に大きな影響を与えることが明らかとなった。つまり,Li-C-H系物質の水素吸蔵/放出反応を理解するためには,鉄の混入を極力抑えた試料を用いる必要があると考えられる。
2.リチウム-炭素-水素(Li-C-H)系物質の水素吸蔵反応に関する研究
C-H結合として水素を保持するナノ構造化グラファイトと水素化リチウム(LiH)の複合物質であるLi-C-H系物質は,350℃の熱処理により水素を放出し,Li_2C_2相を形成することがわかった。この脱水素化Li-C-H物質の水素化過程について,ガスクロマトグラフを用いた調査を行った。その結果,Li_2C_2を含む脱水素化相に水素を再吸蔵させた場合,C-H結合及びLiH相の形成に伴い,炭化水素(主にメタン(CH_4))が放出されることが確認された。
来年度は,以上の結果を踏まえ,Li-C-H系物質の水素吸蔵/放出サイクルに伴う特性の変化について詳細に調査し,本系の水素吸蔵/放出機構について調査を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Spectroscopic studies on hydrogen ab/desorption properties of nano-structural graphite2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Miyaoka
    • 学会等名
      Gordon Research Conference 2007
    • 発表場所
      Colby College, Waterville, ME, USA
    • 年月日
      20070711-13
  • [学会発表] Li-C-H系水素貯蔵物質の水素吸蔵/放出機構の調査2007

    • 著者名/発表者名
      宮岡 裕樹
    • 学会等名
      日本金属学会2007年秋期大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2007-09-20

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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