右巻きトップクォークが複合粒子であった場合、LHC実験でヒッグス粒子の生成断面積がどのように変化を受けるかを調べた。私の得た結果によると、標準模型のカットオフスケールが1TeV程度以下なら、LHC実験でのヒッグス粒子生成断面積は20%程度の補正を受ける可能性があることがわかった。この結果はJHEP誌に論文として発表されている。 また、T.Teubner氏と共同で、Working Group Report "Quest for precision in hadronic cross sections at low energy: Monte Carlo tools vs.experimental data"のSection 6を執筆した。このWorking Group ReportはEur.Phys.J.C誌に論文として発表されている。 また、萩原薫氏、R.Liao氏、A.D.Martin氏、T.Teubner氏と共同で、標準模型からのミューオン異常磁気能率の予言をアップデートした。我々が中国での国際会議Phipsi09で発表したところによると、標準模型からのミューオン異常磁気能率の予言値は、実験値から4σほど離れている。この会議で我々が発表した内容は、arXiv: 1001.5401としてウェブ上に公開されている。また、論文も準備中である。 また、Sweet Spot SUSY模型と呼ばれる模型に右巻きニュートリノを加えた模型で、レプトンフレーバー数を破る稀過程がどれほど起こるか研究した。私の得た結果によると、スイスPSI研究所で進行中のMEG実験で、近い将来にmu->e gamma崩壊が観測される可能性があることがわかった。この結果は2010年3月の日本物理学会第65回年次大会で発表した。また、論文も準備中である。
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