研究概要 |
本年度の研究計画に基づき、以下のように研究活動を実施した。 1.2008年8月に英国Essex大学で開かれた国際学会「Historical GIS Conference 2008」にて、明治末期の京都の小地域統計を用いた研究に関する発表を行なった。2009年度中に、これと関連して、近現代京都の都心部における都市内部の居住者特性の変容に関する分析を進め、国際学会での発表を行ないつつ、論文としてまとめ、投稿する予定である。この発表に合わせて、ロンドンおよびパリにおいて,ジオデモグラフィクスと呼ばれる小地域地区類型の実地調査を行なった. 2.自己組織化マップ(SOM)を利用して、神戸市既成市街地における阪神・淡路大震災前後の居住者特性に関する時空間データ解析を行ない、その結果に関する論文をまとめ、『地理学評論』(日本地理学会)誌に投稿した(2009年1月)。 3.自己組織化マップ(SOM)によって、東京23区における居住者構成と事業所構成に関する指標をクラスタリングし、東京23区における社会経済的な地域分化の現状について検討した。この研究成果については、2009年3月に国内学会「日本地理学会2009年春季学術大会」にてポスターによる発表を行なった。 4.1965年および1970年の大阪市の小地域統計データベースの作成と、GISデータベースの作成を行なった。これについては、学会発表を行なったうえで、論文としてまとめ、投稿する予定である。 5.そのほか、2008年10月には、東京大都市圏を構成する5つの大都市について、官庁統計を中心に小地域統計資料の所蔵調査および収集を行なった。その結果として、東京都や横浜市、川崎市など、古くからの大都市ほど小地域統計の整備が進んでいることがわかった。
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