研究概要 |
本年度はまずディスプリンとしての経済学、経済救策の基礎を学ぶため、経済学研究科にて計量経済学、ミクロ・マクロ経済学のコースワークを履修、聴講した。特に本研究における実証分析のために必要不可欠な計量経済学に関しては、2007年11月に大学院中級以上の計量経済学のテキストを輪読する研究会を立ち上げ、週]回のペースでlarge sample theory,non parametric,non smoothなどのテーマを実証分析への応用を念頭におきながら学習し、着実に成果を得ている。 学会発表(国内)に関しては、年度当初は2007年10月のラテンアメリカ政経学会において修士論文をもとにした発表を行う予定であったが、ラテンアメリカ史研究会、神戸大学経済経営研究所ラテン・アメリカセミナーにおける発表を推薦、依頼されるという機会に恵まれたため、上記研究会、セミナーにおいて修士論文をもとにした発表を行い、ラテンアメリカ政経学会ではそこにていただいた貴重なコメントをもとに、新たな視点、手法を導入して、さらに発展した研究成果を発表することができた。具体的には先行研究が、フルタイムの男性労働者のみを対象とした最小二乗推定から賃金関数の推定を行っていたのに対して、同報告ではチリ特有の祉会経済状況に着目して、選択変数に資産所得を用いることで、サンプルを労働力人口全体とし、サンプルセレクションバイアスを考慮したヘックマンの2段階推定を行い、討論者およびフロアから好意的なコメントを得ることができた。 学会出席(国外)としては2007年9月のLatin American Studies Associationに参加し、活発に質問を行った。特にラテンアメリカと東アジアの経済発展モデルを比較するセッションでは、現代ラテンアメリカを代表する経済学者であり、本研究の着想がその著作から多大な影響をうけているRichard Ffrench-Davisチリ大学経済学部教授に直接質問を行うという貴重な機会を得ることができ、今後の本研究に関して有益な示唆を得ることができた。
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