研究課題
セマフォリンの代表的な受容体であるplexin-Alは、神経系における解析から細胞運動に関与することが知られている。申請者のこれまでの解析から、plexin-Al欠損マウスでは生体内におけるT細胞primingが障害されていることが明らかにされているが、その詳細については不明であった。本研究では、I)樹状細胞のtraffickingにおけるplexin-Alの役割の検討及び、II)plexin-Alの下流のシグナル経路の解析を目的としているが、これまでの研究成果により、1)plexin-Al欠損樹状細胞は末梢組織から所属リンパ節への遊走が障害されていること、2)樹状細胞が末梢から所属リンパ節へ遊走する際の、リンパ管内皮細胞をtransmigrationする過程にplexin-Alが重要な役割を担うこと、3)樹状細胞が内皮細胞をtransmigrationする過程にはSema6D-plexin-Al相互作用よりもむしろ、Sema3A-Neuropilin-1-plexin-Al相互作用が重要であることを、Sema3A, Sema6C, Smea6D欠損マウス及びNeuropilin-1変異マウスの解析から明らかにした。そして本年度の研究成果によりSema3Aによりmyosin light chainのリン酸化が誘導され、樹状細胞移動に必須であるactomyosin contractionが惹起されることを明らかにした。一連の研究成果に関する論文を現在投稿中である。
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