• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

群集の種組成を決定する要因の解明:世界各地の都市鳥類群集(シンク群集)の解析から

研究課題

研究課題/領域番号 07J09931
研究機関九州大学

研究代表者

三上 修  九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)

キーワード鳥類 / 都市 / 群集 / 多様性 / 共存 / 集合法則 / 種組成 / 群集生態学
研究概要

本研究の目的は、世界のいくつかの都市の鳥類群集のデータを、文献・フィールド調査により収集し、都市に進出している鳥がどのような性質をもっているのか、種組成にはどのようなルールがあるのかを明らかにすることである。この研究の背景には、群集生態学における古くからの疑問である群集の集合法則が何であるかという科学的疑問と、鳥類の維持、保全といった応用的な側面の両方がある。初年度である今年度は、データの収集を進め、一方で日本の都市鳥類に着目したデータ解析を行った。
その結果、まず日本では同じ科の鳥は都市に進出しにくいことが示された。この結果を単純に解釈すると、同じ科の鳥は餌資源・生息場所において競合する種であるため、共存できないためと考えられる。この結果については現在投稿中である。
また、日本の都市・住宅地・森林の3環境において、鳥類の種数・個体数を調査し比較したところ、種数については、後者に連れて大きくなるが、単位面積当たりの個体数については、後者につれて少なくなることが明らかになった。つまり都市は、自然環境である森林よりも種数は少ないのだが個体数密度では高いということになる。これは、鳥の体重を総計してバイオマスとして考えた場合にも同じ結果になる。森林の方が、鳥類にとっての資源は豊富そうに見えるのにも関わらず、都市という環境の方が森林よりも多くの鳥類(あくまで個体数の点においてではあるが)を維持できているというのは驚くべきことである。このような傾向は、欧米の研究でも示されている。どのような要因でこのような奇妙なパターンが生じるかを今後明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 都会の鳥と田舎の鳥:個体数と種数の比較2007

    • 著者名/発表者名
      三上修・河野かつら
    • 学会等名
      日本鳥学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20070922-23

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi