研究課題
本年度はクルマエビのToll受容体およびimmune deficiency(IMD)シグナル伝達経路関連因子の分離および抗菌ペプチドであるanti-lipopolysaccharide factor (ALF)に関する研究を行った。まず、Toll受容体シグナル伝達経路においてシグナル媒介因子に着目し、データベースを検索し、縮重プライマーの設計を行い、クルマエビのリンパ様器官より作製したcDNAを用いPCR反応を行った。解析の結果、evolutionarily conserved signaling intermediate in toll path ways(ECSIT)が得られ、全長塩基配列1481塩基で5'UTR103塩基、ORF1164塩基および3'UTR214塩基から構成され388残基のアミノ酸をコードしていた。また、ドメイン予測の結果、NF-kappaBにシグナルを伝達する機能ドメインであるECSITドメインが確認され、クルマエビにおいてもECSITがToll受容体シグナル伝達において重要な役割を持つ可能性が示唆された。また、グラム陰性菌感染により活性化されるIMDシグナル伝達経路におけるIMDの同定を試みた。ショウジョウバエのデータベースを検索し、縮重プライマーの設計を行い、PCR反応を行った。解析の結果、IMDの全長塩基配列が確認され、全長1054塩基で5'UTR308塩基、ORF480塩基および3'UTR266塩基から構成され160残基のアミノ酸をコードしていた。また、ドメイン予測の結果、DEATHドメインが確認された。さらに、クルマエビにおいて新規のALF遺伝子(MjALF2)の同定および発現解析を行った。まず、ALF遺伝子の相同性解析を行い、保存領域に対し縮重プライマーの設計を行った。クルマエビのリンパ様器官から作製したcDNAをテンプレートとしてPCRを行った。MjALF2のcDNAは全長558bpで、120アミノ酸残基をコードする360bpの翻訳領域、3'側非翻訳領域126bp、5'側非翻訳領域72bpを含んでいた。既報のクルマエビALF遺伝子MjALF1と43.5%、ウシエビALF遺伝子PmALF2と83.3%の相同性が認められた。脳、神経、造血器、血球、リンパ様器官、胃、中腸腺、心臓、腸管、鰓および筋肉の全ての器官で発現が認められた。培養細胞へのLPS刺激による経時的発現解析の結果、ALF2は刺激後48時間で発現の増加が認められた。
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