研究概要 |
クルマエビ異物認識機構関連因子として、Toll受容体、Serpin、Snake、Spatzle、ECSIT、TRAF6、Cactin、LGBP、また抗菌ペプチドとしてALF、Penaeidin、Crustinおよびlysozymeなどの同定を行ってきた。そこで、RNA干渉法によるToll受容体ノックダウン後の各因子の発現解析により、Toll受容体と各因子の関連性の解明を行った。クルマエビでは2種類のToll受容体遺伝子(MjToll,MjToll2)が同定されており,それぞれのToll受容体に対しdsRNAの作製を行った。各Toll受容体をノックダウンしたクルマエビの血リンパよりcDNAを合成し,免疫関連因子およびEF1-α遺伝子のSYBR GreenリアルタイムPCRを行った。MjTollをノックダウンしたcDNAを用いた結果、PBsを接種したクルマエビと比べ、ProPOで73倍およびLGBPで70倍の高い発現上昇が認められ、lysozymeで10%、血液凝固因子およびSpatzleで0.1%以下の発現が認められた。また、ALF2、Crustin、PenaeidinおよびTRAF6においては3.1~5.6倍の発現上昇が認められ、ECSIT、CactinおよびALFは50%以下の発現量であった。一方、MjToll2をノックダウンしたcDNAを用いた結果、PBSを接種したクルマエビと比べ、ProPOで168倍およびALF2で510倍の発現上昇が認められ、lysozymeおよび血液凝固因子で10%以下、Spatzleで0.1%以下の発現が認められた。また、LGBP、Crustin、Penaeidin、SnakeおよびSerpinにおいては1.4~5.9倍の発現上昇が認められ、TRAF6、ECSIT、CactinおよびALFは50%以下の発現量であった。
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