本年度は昨年度と同様データ収集や整理を行いつつ、海外において研究会や勉強会にも参加し、データにふさわしい分析手法やモデルを選択することのできる能力を身に付けることを主な目的とした。研究テーマとしては、結婚行動の研究はもちろんのこと、それに深く関連する出生の研究も同時に行った。経済学の分野における出生や結婚の研究は未だ研究の余地が十分あり、特に経済学的出生・結婚モデルの構築は十分になされていない部分であることから、そのモデル構築に努めた。 また、結婚行動には個人の働き方(長時間労働等)が強い影響を及ぼすことから、「仕事と生活の両立」の効果に注目し、様々な研究会に参加してきた。他の研究者と議論し、お互いに知識を深めるために、東京大学を中心に行われているワークライフバランス推進プロジェクトや研究会に参加した。そこで、他の研究者とともに議論を重ね、執筆をした論文は製本中もしくは審査中であり、平成21年度夏以降に公表予定である。また、新しい分析手法を学び研究の視野を広げるためにも本分野における研究者人口の多い海外、特にアメリカ合衆国での研究会への参加、資料収集を本年度5月末まで行った。また、本年度8月にはロンドンにて、計量経済学のセミナーに参加し、データマネジメントの手法を学ぶとともに、同分野の研究者から研究のアドバイスを受けた。これら海外で学んだことを基盤として、さらに論文を執筆中である。結婚行動の国際比較に関する論文も執筆計画中であり、様々な国のデータを人手し、分析を行う準備を進めている。
|