研究概要 |
本年度のオントロジー記述及び推論のための論理学研究に関しては,Gene Ontology(GO)などの通常のオントロジーで採用されるリレーションレベルの記述を,プロセスレベルの記述として扱うことを可能とする線形論理的手法を主に薬間相互作用に関するオントロジーに導入する試みについて,Barry Smith博士との共同研究を行なった.共同研究で得られた結果については,共同論文の執筆および,オントロジー研究の国際ワークショップTokyo Interdisciplinary Ontology 2008,Tokyoにて口頭発表の形で公表した.また,考案したオントロジーのための線形論理的推論システムについては,そのサブシステムをHereditary Harrop Formulaの形式に変換することなどにより,現在,そのプロトタイプをレファレンス実装中である. 一方,本年度の人間の認知推論研究に関しては,BAROCO論理推論課題集を使った一連の大規模論理推論調査の結果についての共同論文執筆を行なった.(現在国際ジャーナルIntelligence誌へ投稿中)また,次年度に予定している大規模行動遺伝データベース構築に向けて,システムの設計などを行い,行動遺伝オントロジー構築のためのインフラを整えた.加えて,幼年期双生児行動を一定期間記録した動画像に,リアルタイムのアノテーションを行ない,その動画像のメタデータをベースとした幼年期双生児行動に関する時間制約付きオントロジーの構築準備を進めた.
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