研究課題
[秩序渦抽出]ウェーブレット解析(場所とスケールの情報を同時に解析できる手法)を用いて、高レイノルズ数乱流に対する秩序渦抽出手法の有効性を調べた。その結果、1)ある時刻の乱流場大規模データベースから抽出された秩序渦の自由度の、全自由度に対する割合が、レイノルズ数の増加と共に減少すること、2)秩序渦同士の非線形相互作用が、もとの全体場の非線形相互作用をよく再現する一方、秩序渦・無秩序渦同士の相互作用がほぼ相殺し、無秩序渦同士の相互作用は非常に小さいことなどを示した。工学や環境の分野から、恣意的・経験的なパラメータを用いない乱流モデルの開発が求められている。本研究で開発する乱流モデルが、1)乱流の普遍的な性質「間欠性」のみを利用した、数理・物理的に根拠のあるモデルであることが示された点、2)工学上にみられるような高レイノルズ数における、乱流の間欠性に関する知見や、モデルの有効性が示されている点に意義がある。[乱流の小スケールの普遍性]乱流中のある場所における、ある大きな渦サイズRの保有するエネルギーが、その場所からその付近の小さな渦スケールR'以下へ輸送されるエネルギーと、高い正の相関をもつことなどがわかった(ただしRが慣性小領域内の時)。LESのような乱流モデルの発展に重要となる慣性小領域をもった乱流場の知見が得られているところにその重要性がある。[大スケール普遍性]乱流中の一番大きな渦スケールの普遍性を理解するために、特に工学上重要かつ、非等方乱流において最も代表的なものの一つである一様磁場中の低磁気レイノルズ数電磁流体乱流におけるロイチャンスキー仮説の妥当性を検証した。
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Proc.of the IUTAM Symposium on Computational Physics and New Perspectives in Turbulence, Nagoya Univ.September, 11-14, 2006
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京都大学数理解析研究所講究録
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http://www.fluid.cse.nagoya-u.ac.jp/~okamoto/gyouseki/