研究課題/領域番号 |
08041002
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
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研究分担者 |
LENARD Kamer アラスカ大学, 博物館アラスカ原住民伝統映像センター, 所長
甲地 利恵 道立アイヌ民族文化研究センター, 研究職員
岸上 伸啓 国立民族学博物館, 第一研究部, 助教授 (60214772)
渡部 祐 道立北方民族博物館, 学芸課, 課長
谷本 一之 道立アイヌ民族文化研究センター, 所長 (20002446)
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キーワード | カムチャッカ半島、 / コリヤク、 / イテリメン、 / 民族芸能、 / 太鼓制作、 / 生業活動、 / 漁撈、 / 採集、 |
研究概要 |
1997年7〜8月の調査では、平成8年度未調査地のコマンドルスキー諸島での調査は交通事情の悪化のため定期便が利用できないため、やむなく断念したが、ペトロパブロフスクに在住するコマンドルスキー諸島ベーリング島出身のアリュートの古老を見いだし、歌1篇とアザラシ踊り一曲を録音・録画し、アラスカのアリュートでは失われて久しい伝統的な物語2編を記録した。 ペンジナ湾周辺の調査では、地方都市のマニリ周辺の海岸、河岸に点在するウストゥ・ペンジナ、ミキ-ナ、シェスタコヴァの集落及びタロフスカ河岸のトナカイ飼育夏の村を訪れ、約40曲の歌を録音・録画した。また、漁撈・狩猟活動を実地で観察し、生業活動の実際を録音・録画により記録した。生業調査では、Jochelson資料と比較すると海岸コリヤクにおける漁法が非常に伝統漁法を残すという意味で保守的であることが明らかになった。また、トナカイ飼育を行うコリヤクにおいて夏にトナカイを飼育しながら移動する若者グループと夏のキャンプ地を守り、干し魚作りやベリ-採取を行う年寄りグループとの関係、住民の構造、食糧保存の方法などのトナカイ飼育と漁撈・採集との補完的な関連を示す貴重な生業情報を得た。コリヤク芸能調査では、男女における歌唱法の相違、及び歌唱の地域差に関する情報が得られた。マニリでは、ドラム製作法とドラムにまつわる2篇の物語を採集した。 1997年9月の調査では、ペンジンスキー地区ティリチキでコリヤクの民謡、約10曲を録音・録画した他にペトロバブロフスク在住のイテリメン古老の伝統的民謡約10曲を録音した。ペトロバブロフスクで開催されたカムチャッカロシア帰属250周年記念行事の一つ「全カムチャッカ芸能フェスティバル」を取材し、カムチャッカの各地から参加した7つの民族アンサンブルのプログラムを録音・録画することができた。
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