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1996 年度 実績報告書

中央アンデスにおける祭祀センターと文明形成の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08041006
研究機関東京大学

研究代表者

大貫 良夫  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00126012)

研究分担者 ELMER Atalay  ペルー国カトリカ大学, 人文学部, 講師
WALTER Tosso  ペルー国, 財団法人・天野博物館, 研究員
米田 穣  環境庁国立環境研究所, 化学環境部, 研究員 (30280712)
長谷川 悦夫  日本学術振興会, 特別研究員
坂井 正人  日本学術振興会, 特別研究員
井口 欣也  新潟大学, 人文学部, 講師 (90283027)
関 雄二  天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50163093)
加藤 泰建  埼玉大学, 教養学部, 教授 (00012518)
キーワードアンデス文明 / クントゥル・ワシ / 祭祀センター / 形成期 / ペル- / 金
研究概要

平成8年度の調査はペル-北部高地のクントゥル・ワン遺跡の発掘に集中した。目的は祭祀センターの形態と規模、その時間的変遷を明らかにすることであった。まず時間的変遷に関しては、綿密な層位学的発掘により、紀元前1500年頃から同100年頃までの間を4時期に区分できることを明らかにし、それぞれの時期の建築に関して発掘区域内でわかる限りのデータを取り、詳細な建築図面、層位図面も作成した。また大量の土器片その他の遺物も収集した。半地下式広場とそれを囲む基壇とその上の小部屋群、床下の暗渠をもってひとつの広場複合となる建築様式が明らかになり、またそうした建築が3時間にわたり更新を繰り返してきた過程も詳細にあとづけた。この成果は、アンデス文明形成期祭祀センターの実態解明を一歩進めたことになる。
遺跡の南隅区域では、黄金製品を副葬した埋葬施設(墓)を3基発見した。ひとつはクントゥル・ワシ期間(紀元前750-500)、二つはコパ期(前500-250)のものである。いずれもアンデス最古の黄金製品に属し、1989年の発見に続く日本調査団の2回目の発見であった。この時期の金製品は数が少なく、われわれの例を除けばすべて盗掘品であり、それゆえに学術上貴重な発掘資料である。
この金製品を伴う墓と遺構とその建設過程のデータによって、祭祀センターの内容と社会的機能の一端が明らかになりつつあり、文明形成の過程で果たした神殿や祭祀センターの役割についての研究を大いに前進させる道が開けた。継続してさらに多様なデータを充実させる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 大貫良夫: "アメリカ大陸の文化" モンゴロイドの地球5 最初のアメリカ人. 39-116 (1995)

  • [文献書誌] 大貫良夫: "1996年クントゥル・ワシ遺跡発掘調査" 月刊文化財発掘出土情報. 172. 1-4 (1997)

  • [文献書誌] Yoshio Onuki,ed.: "Kuntur Wasi y Cerro Blanco. Dos sitios del Formativo en el Norte del Peru" 北泉社, 217 (1995)

  • [文献書誌] 大貫良夫編著: "モンゴロイドの地球5 最初のアメリカ人" 東京大学出版会, 216 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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