研究課題/領域番号 |
08041013
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
森口 恒一 静岡大学, 人文学部, 教授 (10145279)
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研究分担者 |
笠原 政治 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (70130747)
山田 幸宏 姫路獨協大学, 外国語学部, 教授 (00036659)
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キーワード | カラオ / ブヌン / バブヤン / ツォウ / イトバヤット / イヴァタン / 文化変容 / 言語変化 |
研究概要 |
1 フィリピン中部で使われるカラオ語は、文化的に完全に回りの村々に吸収されているために、言語においてもイロカノ語、イバロイ語の影響が大きい。しかし、今回の調査によりそれらの言語とは違う、カラオ語独自の単語を数多く発見する事が出来た。 2 フィリピン北部のイヴァタン語とバブヤン語は、離島のためにこれらの言語の使用者は多いが、ルソン島との関係が近来密接になって来たために発音の揺れが顕著になっていることを発見した。また、細部に渡り物の名称を体系的に調査した結果、バシイック諸語の比較において孤立していると考えられていると単語の相関関係が明らかになった。 3 フィリピンの最北端の居住可能な島の人達が話すイトバヤット語では、植物名の調査を行い、その語構成の体系が明らかになった。また、語彙調査により、年齢的に発達する語彙を多く採集した。 4 台湾のツォウ族の文化人類学的調査によりリネージ・システムが未だ保存されており、平地化が進んでいる台湾原住民の中で非常にオリジナルな生活を保っていることがわかった。それゆえ、ツォウ族の調査は、今後勢力的に行う必要がある。 5 台湾のブヌン語では、言語的に親子間で断絶があり、若年層では使えない子供達が多く見られる。一方、このような言語状態を嘆き、若い人たちの間にブヌン語再活性化の動きがおきている。また、テキストを採録した結果、ことば自体は複数の方言に分かれるが、話しのモティーフが共通である事を発見し、その中での幾つかのヴァリエーションも記録した。
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