研究課題/領域番号 |
08041013
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
森口 恒一 静岡大学, 人文学部, 教授 (10145279)
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研究分担者 |
笠原 政治 横浜国立大学, 教育人間学部, 教授 (70130747)
山田 幸宏 姫路獨協大学, 外国語学部, 教授 (00036659)
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キーワード | イヴァタン語 / イトバヤット語 / 迷信 / 忌みことば / ツォウ族 / 異族同化 / 民族生成 / 民族分類 |
研究概要 |
森口と山田は、フィリピン共和国の北部島嶼部で言語学的調査を、また、笠原は、台湾中部の山地で原住民の人類学的調査を行った。 森口は、カガヤン州のバブヤン島、バタネス州のバタン島、イトバヤット島、サブタン島においてイヴァタン語の方言調査を行った。バブヤン島では、バブヤン語の民話のテキストの採集と記述を、バタン島のイヴァタン語は、中部マハタオにおいて宗教儀礼に使われる歌の記録と記述を、そして、サブタン島では、漁師が漁に出た時に使う特殊な言語についての調査を行った。その結果、漁師の言葉の中に、先に調べたバブヤン語の不明の語彙が多くあることがわかった。 山田は、バタネス州イトバヤット島において迷信、タブ-に使われる諺を収集し、記録すると同時に、亀や鳥の民族分類学的な調査、そして、島名、及び、土地利用に関する地名の調査を行い、それらを地図上に記録をした。また、従来から行っていた文法事項の追加調査も行った。 笠原は、台湾中部の嘉義縣の山地に居住するツオゥ族の村に入り、未だ伝統的な習慣が残っているのを発見し、人類学的調査を行った。調査の結果、ツォウ族が氏族制を保持している事は、日本領台時代から良く知られている事実であるが、純枠に代々のツォウの人達だけではなく、かつてブヌン族であった人達が、ツォウ族化して氏族制にの中に編入される異族同化(タコプラン)現象があり、民族生成の要素の一つが明白に記憶されていることが判明した。
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