研究分担者 |
SHARMA R.C. ジャワハルラルネルー大学, 教授
荒木 一視 山口大学, 教育学部, 助教授 (80254663)
友澤 和夫 岡山大学, 環境理工学部, 講師 (40227640)
澤 宗則 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40235453)
由井 義通 広島大学, 教育学部, 助教授 (80243525)
|
研究概要 |
本研究は,近年進展著しいインド工業化の地域的実態を,北インドを中心に低開発地域と開発地域の2つの大規模工業団地の比較を通じて明らかにしようとするものである。既に平成8年度は,低開発地域の工業団地開発の事例を調査し,平成9年度は,近年成長著しいデリー工業圏,中でもノイダ工業団地について調査を行った。本年度は、5名により補足調査として短期のインド現地調査を行った他は,もっぱらこれまでの研究の総括に当てた。平成8年度,9年度の成果を総合的に検討するため9月に研究集会を実施し,さらにその結果を11月の人文地理学会で口答発表した。なお、これまでの3年間の研究成果を報告書としてまとめ,工業化と地域の変容を通してインドの新たな地域像の提示を試みた。 インド現地調査は,デリーとその周辺において前年度の補足調査を行ったほか,近年成長著しい南インドの工業発展の一端を把握するため,バンガロールの工業団地開発とソフトウェア産業の展開について調査を実施した。バンガロールの調査によって明らかとなった点は以下のとおりである。 1)バンガロールは公営企業の立地により工業都市として発展してきたが,近年は外国資本を含むソフトウェア産業の集積による発展が著しい。2)この発展には,これまでの工業の集積や研究機関・教育機関の充実が関わっている。3)ソフトウェア産業のための工業団地開発が行われており,シンガポールの協力によりこれまでのインドにない新たなコンセプトの開発が認められる。4)トヨタの工業立地が近郊に決定しており,今後自動車工業の集積によってより総合的な工業地域として発展することが予測される。
|