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1998 年度 実績報告書

ムスリス社会における民俗知識の継承とその変容-北アフリカの民族誌学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08041020
研究機関東京都立大学

研究代表者

大塚 和夫  東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70142015)

研究分担者 赤堀 雅幸  上智大学, 外国語学部, 専任講師 (20270530)
奥野 克己  京都文教大学, 人間学部, 専任講師 (90250018)
鷹木 恵子  桜美林大学, 国際学部, 助教授 (60211330)
キーワード北アフリカ / イスラーム / ムスリム / 民俗知識 / 文化変容 / 文化人類学 / 民族誌 / アラブ社会
研究概要

研究最終年度の本年度は、当初は大塚、赤堀、奥野、鷹木の4名の研究者をエジプト、チュニジア、モロッコに派遣する予定であった。だが、分担者の奥野が健康上の理由から海外調査ができなくなり、それに代わって代表者の大塚が再度エジプトに赴き、調査を行なう形になった。
大塚は夏にlカ月、冬に1週間ほどエジプトに行き、カイロでこれまで通り土産物店の調査を続け、ルクソール事件によって大きな打撃を受けたエジプト観光業界の現状を調べた。さらに、エジプトの根強い伝統的慣習とみなされてきた「女子割礼」を、女性の人権を侵害する「女性性器切除(FGM)」と捉え直し、その廃絶に向けて活動を続けるエジプト人が組織した「FGM対策会議」にコンタクトをし、伝統的価値観に対するエジプト内部からの変容の試みに関する資料を得た。赤堀は、8月にモロッコに行き、現地での職業的歌手の登場とその活動に関するエクステンシヴな調査を行なった。これはこれまで赤堀が実施していた、エジプト西部沙漠に住むベドウィンの伝統的歌謡の変容をテーマにした研究の一環であり、国境を越えたアラブ歌謡の伝播・普及に関する基礎的資料の収集を目指したものである。鷹木は、チュニジアのチュニスならびにモロッコのカサプランカという都市部とその周辺地域において,これまで通り女性を中心とした民俗工芸の技術とそれに関わる民俗知識の変容の調査を継続し、さらに居住空間の変容についても調べた。
上記の4人はもとより、今年度の調査予定者には入っていなかった堀内、小杉、坂井も前年度までの調査成果を集約し、一部をすでに論文などで刊行し、今後もさまざまな機会に発表する準備を進めている。また、研究プロジェクト全体として、7名全員が寄稿する単行本を市販の形で刊行する準備も進行中である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "はじめに-万華鏡の世界-" アジア読本アラブ. 7-10 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "女子割礼および/または女性性器切除(FGM)" 性・暴力・ネーション フェミニズムの主張4. 257-293 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "民族学者のまなざし(3)噂のなかのルクソール" 季刊 民族学. 84. 110-113 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "民族学者のまなざし(4)イスラーム世界と「世俗化」" 季刊 民族学. 85. 118-121 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "民族学者のまなざし(5)フィールドの「年齢」" 季刊 民族学. 86. 88-91 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "民族学者のまなざし(6)「文明」についての覚え書き" 季刊 民族学. 87. 114-117 (1999)

  • [文献書誌] 鷹木 恵子: "チュニジアの誕生と結婚と死-通過儀礼" アジア読本 アラブ. 91-97 (1998)

  • [文献書誌] 赤堀 雅幸: "ジャスミンのかおる朝を君に-挨拶の言葉としぐさ" アジア読本 アラブ. 48-54 (1998)

  • [文献書誌] 赤堀 雅幸: "第2部 民族遊戯・各国編-エジプト-" 民族遊戯大事典. 562-566 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "アジア読本アラブ (編著)" 河出書房新社, 374 (1998)

  • [文献書誌] 大塚 和夫: "世界の歴史24 アフリカの民族と社会 (共著)" 中央公論社, 534 (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2012-11-19  

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