研究課題/領域番号 |
08041023
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
砂野 幸稔 熊本県立大学, 文学部, 助教授 (60187797)
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研究分担者 |
MAMADOU CISS フランス国立東洋言語文明研究所, 講師
JEANーLEOPOLD ジュフ セネガル国立ダカール大学, 応用言語学研究所, 助教授
梶 茂樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10134751)
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キーワード | ウォロフ語(wolof) / 識字(alphabetisation) / 言語政策(language policy) / セネガル(senegal) / 国語(national language) / 多言語状況(multilinguism) / レブ語(lebu) / 共通語(vehiculer language) |
研究概要 |
1.識字教育と識字教育用出版 (1)96-97年度にも政府識字局による識字用出版物が大幅に増加し、多くの実施団体が用いていることを確認した。また、97年度から「国語」による地域情報紙発行のための補助金支出が決められたが、その実施の実態についてはまだ把握できていない。来年度の課題である。 (2)識字局のテキストが広く用いられていることは、各国語の標準化に寄与すると思われるが、介入地域の方言によるテキストを用いる団体も少なくなく、各国語の標準語定着のための統一化は図られていない。 2.ウォロフ化の進行とウォロフ化への抵抗 ダカ-ル以外の都市でもウォロフ化の進行は顕著に認められるが、ジガンショールにおけるマンディンカ語、クレオル語、タンバクンダにおけるバンバラ語などのように地域共通語としての影響力を保持する言語が存在し、また、少数派言語もダカ-ル以外では必ずしもウォロフ語には併呑されず、ウォロフ化への抵抗が存在していることが明らかになった。 3.ウォロファル資料とウォロファル使用の実態 (1)これまで知られてきた19世紀のものだけでなく、さらに古いウォロファル資料がム-リディアの大カリフの親族や宗教詩人の遺族などのもとに多数秘匿されていることがわかった。公表を拒む所持者との交渉が今後の課題である。 (2)トゥーバ、ムバケなどのセネガルイスラムの中心地だけでなくダカ-ルをはじめとする都市部でも、ウォロファルが日常的に用いられ、簡易印刷の宗教出版物を中心として多数の読みものも流通していることがわかった。 4.ウォロフ語レブ-方言 既知のものとは異なる母音体系を明らかにし、その語彙集の作成に取りかかっている。
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