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1997 年度 実績報告書

古代国家渤海と日本の交流に関する考古学的調査

研究課題

研究課題/領域番号 08041024
研究機関青山学院大学

研究代表者

田村 晃一  青山学院大学, 文学部, 教授 (30082613)

研究分担者 鈴木 靖民  國学院大学, 文学部, 教授 (20052160)
足立 拓朗  青山学院大学, 文学部, 教授 (90276006)
岡内 三眞  早稲田大学, 文学部, 教授 (90093210)
町田 章  奈良国立文化財研究所, 教授 (90000471)
大貫 静夫  東京大学, 文学部, 助教授 (70169184)
キーワード渤海 / 靺鞨 / 山城 / 石塁 / シニェリニコヴォ1山城 / クラスキーノ土城 / 沿海州 / スイフン河
研究概要

平成9年度の調査は、まず5月に田村と大野が事前の調査地視察及び打ち合わせをシニェリニコヴォ1山城とクラスキーノ土城で行った。その結果により、9月にシニェリニコヴォ1山城の発掘調査及び測量調査を実施した。この山城は、昨年に調査を行い、山城の時期が、極めて類例の少ない靺鞨末期から渤海初期であり、また大規模な石塁を有することが判明した。今年度の調査の目的は、第一に昨年も調査された石塁の構造をさらに明らかにすること、第二に新たに門部分に発掘区を設けて、門の構造を明らかにすること、第三に山城内部の測量を実施することであった。
石塁の構造については、昨年の試掘調査で、外側の石塁と内側の土塁による二重構造であることがわかっていた。また土塁の下から広範囲に及ぶ焼土層が検出され、土塁等の防御施設が構築される前に山城内で火災があったことを確認できた。この焼土層範囲がさらに広がるかをを調査したが、明確な拡がりは確認できなかった。今年度の新たな発見は、この焼土層の下から、靺鞨期に属する小規模な土塁が発見されたことであり、この時期の土塁の発見された例はなく、非常に貴重であると言える。また、完全な石塁・土塁のの断面図を作成することができた。
門は石塁が前後に入れ違うことにより、内部への進入口となっている。発掘調査により、門部分石塁の下部または基礎部分を検出することができた。現存状態は良好ではなかったが、門部分の遺構の平面的な配置を明らかにした。
測量は、山城内を1m単位の等高線で記録した。また遺跡南側を巡る石塁の範囲を完全に把握することができた。山城の外側は断崖となっている部分が多く、今年度の機材では完全な測量は不可能であった。急峻な地形に立地するこの山城を研究していくためには、遺跡周辺の測量を完全に行うことが必要であり、今後は未測量部分をいかに図化しているかが課題である。
11月には、イブリエフ氏・ゲルマン氏を日本へ招聘し、石川県・福井県の渤海関連遺跡の踏査・研究を行い、また奈良国立埋蔵文化財研究所、東京における北方ユーラシア学会において渤海関連の研究活動・研究発表を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田村 晃一: "「ロシア沿海州における渤海時代遺跡の調査概報(2)」" 青山史学. 16号. 1-20 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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