研究課題/領域番号 |
08041029
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松本 亮三 東海大学, 文学部, 教授 (20114655)
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研究分担者 |
ルセニダ カリオン ペルー天野博物館, 研究員
横山 玲子 東海大学, 文学部, 講師 (50287041)
小池 佑二 東海大学, 文明研究所, 教授 (70161841)
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キーワード | ペル- / ランバイェケ / チョンゴヤペ / シカン文化 / カハマルカ文化 / カンパメント・デ・パレド-ネス / チム-文化 / 冶金 |
研究概要 |
1996年度に引き続き、ペル-共和国、ランバイェケ県チクラ-ヨ市の65Km東方に位置するカンパメント・デ・パレド-ネス遺跡の発掘を行った。1996年度は、中心部(セクションI)を調査して試験的な編年を行ったが、1997年度は、遺跡全体の表面調査を再度行うと共に、セクションIの東側を約30m下った低地にある遺構群(北西部をセクションIII、南東部をセクションIVと名付けた)を集中的に発掘し、下記の成果を得た。 1.遺跡の表面調査 これまでセクションIおよびその近傍のみを同一遺跡として認めていたが、遺跡全体はカラボソ山系西稜の山麓部に5kmにわたって広がることを確認した。2.セクションIIIの発掘 約30〜50m_2のトレンチを4箇所発掘し、全区域においてカルニチェ期(AD.1100-1350)の遺構を確認した。最深部からはパレド-ネス期(AD.900-1100)の建築址を一部確認している。また、ここからはカンラン石、石英、ウミギク貝などで作られたビーズ及び未完成品が多数出土したため、首飾り等の装飾品の工房址であったと推定される。3.セクションIVの発掘 高さ約3mのアドベ造マウンドの北側に約90m_2、南側に約60m_2の発掘区を設定して調査し、全区域からカルニチェ期の遺構が確認された。北側からは約4m四方の神殿や炉跡を含む祭祀用基壇群が出土し、そのさらに下側にパレド-ネス期のものと思われる神殿群が存在することを確認した。南側からはナイフ、針などの銅製品や鉱滓と共に銅細工用の炉と、さらに最下部の発掘面からは溶鉱炉が出土した。銅の溶鉱炉はペル-で2度目の発見であり、今後継続調査を実施することが望まれる。4.整理・分析状況 若干の遺物をペル-文化庁の許可の下に持ち帰り、物理化学分析等を行うと共に、遺構・遺物の実測図を整理し、分析解釈を行っているところである。これらの一次的整理分析の終了をまって、本年度の調査に関する報告、論文を発表する予定である。
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