カンボジア・アンコール仏教遺跡の総合学術調査

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08041030
• 研究機関: 日本大学
• 研究代表者: 片桐 正大 日本大学, 理工学部, 教授 (50059515)
• 研究分担者: 吉留 正人 建築文化研究所, 所員 ; 小杉 孝行 建築文化研究所, 所員 ; 盛合 禧夫 東北工業大学, 工学部, 教授 (10085459) ; 上野 邦一 奈良女子大学, 環境学部, 教授 (70000495)
• キーワード: 仏教遺跡 / インベントリー / 工法解明 / 構造解明 / 劣化防止 / 集落調査 / カンボジア / シェムリアップ

研究概要

1. 研究目的達成のためアンコール遺跡の特に仏教遺跡についてアセスメントの一環としてインベントリー作成作業を行っている。本年度は夕・ソム遺跡、バンテアイ・サムレ遺跡について実施、終了し、これまでの夕・プローム遺跡、バンテア・イ・スレイ遺跡データとの比較検討・整理をおこなった。
2. 一方で、昨年度に続き工法、石材の加工技術及び構造など技術の総合的解明のためアンコール・ワット遺跡・西参道に関するアセスメントを行っている。本年度は参道全体の配置、平面、立面、断面各図の最終図面を終了した。青焼き図面集を作成し、同時に参道の一部の解体調査を行い、内部も含めた技術及び地質学的な解明を行った(1999年3月終了)。
3. 遺跡表面の仕上げ材砂岩の劣化防止に関して3種類の撥水材を用いて、その効果と材への影響について継続試験を行ってきた。3年間の結果については概要報告は終了したが、さらに時間をかけて回答を出したい。
4. 遺跡周辺の集落(スラスラン村を中心として)の生活、生産、住居に関する最終調査を行った。

研究成果

• [文献書誌] 片桐正夫、崔 炳夏、三輪悟: "アンコール・ワット西参道の内部構造について" 1998年度大会学術講演概概集(日本建築学会). F-2. 209-210 (1998)
• [文献書誌] 上野邦一: "クメール寺院における中心区画の周辺にあるラテライト建物について" 1998年度大会学術講演概概集(日本建築学会). 213-214
• [文献書誌] 盛合禧夫、松村他: "アンコール遺跡の石材は傷んでいる" アンコール遺跡を科学する(上智大学アジア文化研究部). 6. 19-36 (1998)
• [文献書誌] 片桐正夫、崔炳夏,他: "アンコールワット西参道から見る新史実" アンコール遺跡を科学する(上智大学アジア文化研究部). 37-65
• [文献書誌] 石沢 良昭: "カンボジア人によるカンボジア人のためのアンコール遺跡研究・保存修復に向けて" アンコール遺跡を科学する(上智大学アジア文化研究部). 4-9
• [文献書誌] 中尾 芳治: "バンテアイ・クディ寺院跡の発掘調査の成果と課題" アンコール遺跡を科学する(上智大学アジア文化研究部). 6. 10-18 (1998)
• [文献書誌] 片桐正夫: "クメール遺跡の実証的研究(13)" 理工学部学術講演会. 平成10年度. 640-641 (1998)
• [文献書誌] 三輪 悟,片桐正夫: "クメール遺跡の実証的研究(14)" 理工学部学術講演会. 642-643
• [文献書誌] 崔 炳夏,片桐正夫: "クメール遺跡の実証的研究(15)" 理工学部学術講演会. 644-645
• [文献書誌] 片桐正夫,高橋正時: "クメール遺跡の実証的研究(16)" 理工学部学術講演会. 646-647
• [文献書誌] 片桐正夫,石津菜央: "クメール遺跡の実証的研究(17)" 理工学部学術講演会. 648-649
• [文献書誌] 片桐正夫: "カンボジア・アンコール寺院の石造構築技術" 文建協通信. 49. 18-21 (1999)
• [文献書誌] 石沢 良昭: "カンボジアの文化復興(15)アンコール地域の遺跡探査と地域開発" 上智大学アジア文化研究所, 319 (1997)
• [文献書誌] 石澤良昭,片桐正夫: "カンボジアの文化復興(15)アンコール地域の遺跡探査と地域開発、アンコール・ワット西参道修復工事計画書" 上智大学アジア文化研究所,
• [文献書誌] 盛合禧夫: "カンボジアの文化復興(15)、バンテアイ・クディにおける共振法による石材の診断-第5報" 上智大学アジア文化研究所, 319 (1998)
• [文献書誌] 中尾芳治: "カンボジアの文化復興(15) 第18次発掘調査報告" 上智大学アジア文化研究所, 319 (1998)