研究課題/領域番号 |
08041032
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
前田 耕作 和光大学, 人文学部, 教授 (50100467)
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研究分担者 |
中村 忠男 立命館大学, 文学部, 助教授 (50278488)
松枝 到 和光大学, 人間関係学部, 教授 (20181696)
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キーワード | 宗教 / 歴史 / 象徴 / イスラーム / ヒンドゥー / 石窟 / 聖廟 / マクラーン |
研究概要 |
1997年度の調査は出発前二つの偶発的な出来事に見舞われた。研究分担者の一人(立命館大学助教授中村忠男)が、大学で足部骨折の事故にあったこと、もう一人(和光大学教授松枝到)が家族の不幸により直前参加を見合わせざるをえなくなったことである。先件は報告し研究協力者を一名増員し、後件は現地でアブドゥル・ラザック・サビール博士(バローチスターン大学教授)に急遽参加を要請し、確認をえ、調査メンバーの充足をみて出発した。 今年度の調査は、昨年度に引き続き、まずクエッタからカラチに至る南北軸線上の諸地点、昨年度の調査に加えることのできなかったA地点(ヌーシュキー、ヌ-ルガ-マ)と再調査を必要としたB地点(カラート、パンドラン、フズダール、ベ-ラ)で調査をおこなった。 A地点ヌーシュキーでは民家を訪れ、伝承の聞き取りとヒンドゥー寺院で撮影をおこなった。ヌ-ルガ-マでは、旧汗家ノールーズハーン家を訪問、私廟とその蒐集品を調査したあと、ピ-ルスルターン廟へ赴き聞き取り調査と廟の撮影をおこなった。 B地点カラートではカーリー寺院を再訪するとともにパンドランのサイ-ド家で聞き取りをおこなった。またフズダールではミーリー・ブット遺跡の調査を実施した。ベ-ラでは管区長の協力をえて、保管されている古地図、バラーバーグの古墓の調査をおこなう一方、旧ジャーム宮廷執事から聞き取りをおこなった。さらにはゴンドラーニー石窟の調査を実施した。 本年度の調査は上記のA・B地点に加えて、初めて東西線上のマクラーン管区で調査をおこなった。地勢によって東西線は南北軸線にほぼ直角に交わっている。その線上には高山が連なりそのアプローチはきわめて困難である。今年度はトゥルバット、グワ-ダル、パスニの三地点に限定して調査をおこなった。今回の調査によってヒンドゥー教の西限、イスラーム教との混淆と差違化の問題の一端を解き明かす資料をえた。ジワニー、ハフトラール島、オールマ-ラの調査は年度を改めておこないたい。
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