研究課題/領域番号 |
08041043
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 忠行 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90156448)
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研究分担者 |
矢田部 順二 広島修道大学, 法学部, 講師 (30299284)
中井 和夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40188868)
長輿 進 早稲田大学, 政治経済学部, 助教授 (40172564)
家田 修 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20184369)
伊東 孝之 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (30002140)
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キーワード | 東中欧 / ヴィシェグラード諸国 / 北大西洋条約機構(NATO) / 欧州連合(EU) / CEFTA / ロシア |
研究概要 |
1.本研究は共産党体制崩壊後の東中欧地域国際関係の変容過程、およびこの地域を取り巻く国際環境の変容過程を多角的に分析することを目的としている。昨年度に引き続き、本年度も、1)欧州国際秩序の再編、2)下位地域協力、3)二国間関係、4)各国の内政の4つのレベルで問題を設定し、現地調査を実施した。 2.上記の問題について、それぞれの分担にしたがって、各国の政府、政党関係者とのインタビューを継続したが、今年度はとくに次の事項について、集中的な資料収集を行った。1)1997年5月のスロヴァキアにおける国民投票2)1997年6月のポーランド国政選挙3)1997年11月のハンガリーにおけるNATO加盟についての国民投票 3.調査によって得られた情報や資料によって、さしあたりつぎの諸点が指摘できる。1)東中欧諸国のうちポーランド、チェコ、ハンガリーの三国はすでにNATO/EU加盟候補国となり、具体的な交渉が開始されているが、産業構造の転換、法制度の整備、農業問題での合意形成など残された課題は少なくない。2)スロヴァキアでは民主主義の制度化をめぐる問題があり、NATO/EU加盟盟の可能性については今年の9月に予定されている選挙の結果を見るまでは予測が困難である。ここではなお、ロシアとの密接な政治関係が維持されている。3)NATO/EU拡大が、隣接する地域(バルト諸国、ウクライナ、ル-マニア、旧ユ-ゴスラヴィア地域等)にいかなる影響をおよぼすのか、という点は注目を要する。その展開次第では、拡大がそれらの地域の不安定化をもたらすおそれもある。 4.上記諸点の詳細と関連資料を研究報告書として刊行した。
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