研究課題/領域番号 |
08041046
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐伯 聰夫 筑波大学, 体育科学系, 教授 (60036556)
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研究分担者 |
仲澤 眞 筑波大学, 体育科学系, 講師 (10188930)
矢島 ますみ 明海大学, 経済学部, 講師 (80220135)
鈴木 守 上智大学, 文学部, 助教授 (90129792)
間宮 聰夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70265974)
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キーワード | 競技スポーツ大会 / 地域形成 / オールイングランドローンテニスアンドクリケットクラブ / コミュニティー・アイデンティティー / マスターズゴルフト-ナメント / ウィンブルドンテニスチャンピオンシップス / オ-ガスタナショナルゴルフクラブ / 地域活性化 |
研究概要 |
英国ローンテニスチャンピオンシップ大会および米国マスターズゴルフト-ナメントを対象に、継続的な競技スポーツイベントと地域形成の構造的連関について以下の観点から分析を行った。1大会プロデュースシステムの分析、2大会マネジメントシステムの分析、3大会サービスシステムの分析、4マートン地区行政との関連分析、5マートン地域組織との関連分析、6大会の歴史社会的発展と地域生活の変容の分析、7地域への社会経済的機能の分析、8地域における大会のイノベーション機能の分析。方法は、インタビュー調査および資料・文献研究を主なものとした。 その結果、事例とした競技スポーツイベントはいずれも当該地域に対して、社会的、経済的、文化的に継続的に強い影響を及ぼしていることが明らかになった。 いずれもプライベートなクラブが主催機構となる事例であるが、特に大会期間中には、その社会的な影響力の大きさから、主催機構もパブリックな存在であることを認識しており、地域社会に向けた責務を果たすための事業を実施している。大会が成功裡に拡大し、地域的なものから、世界へ発信するものへ変容していくなかで、地域を離れた存在になっていく過程が明らかにされた。 また、地域社会の側にも、そのイベントを地域の文化的資源として活用しようとする勢力があり、大会会期中だけでなく通年的な観光資源化を図ったり、商工会等により企業誘致のためにプログラム化されているものもみられた。 行政及び地域組織との関係は、そう強いものではなく、むしろ地域における個人が主体的に関わっているという傾向が強くみられた。それぞれの競技大会は、必ずしもすべての地域の人々の利害や関心に一致するものではないが、コミュニケーション・ネットワークの形成やコミュニティー・アイデンティティーの醸成という点では、一定のコミュニティー形成の機能を持ったものであった。
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