研究課題/領域番号 |
08041047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 亞人 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50012464)
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研究分担者 |
秀村 研二 明星大学, 日本文化学部, 助教授 (60218724)
岩本 通弥 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192506)
崔 吉城 広島大学, 総合科学部, 教授 (80236794)
吉田 光男 東京大学, 文学部, 教授 (70166974)
嶋 陸奥彦 東北大学, 文学部, 教授 (30115406)
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キーワード | 都市化 / 移住 / アソシェーション / 新興住民 / 過疎化 / 儀礼 / 住民運動 / 適応 |
研究概要 |
最終年度の調査研究として各研究分担者は、前年度に引き続き韓国の都市部および農漁村で現地調査を実施し、これまでの調査資料の拡充と整理と検討を踏まえ、三年度にわたる研究成果のまとめをおこなった。 伝統的な地方都市の事例として大邱の都市の市街地の形成過程を歴史的に追っている分担グループ(嶋、吉田、岡田)は雀、劉の協力を得て、農村人口の都市社会への編入過程に焦点をおいた。大都市の膨張過程での農村からの大量の人口流入にともなう適応と郷友会や花樹会や同窓会などのアソシエーション組織については、伊藤はソウルにおける珍島出身住民を、本田は南原郡部出身者を対象として、組織状況と活動内容および相互関連を調査した。済州島出身者を対象とする大野は移住の対象う日本にまで広げて、移住後の母村との関係に焦点をおいている。李は都市の新興住民の活動として共同育児を含む代替的教育の実態にも対象を広げている。秀村は引き続きソウル近郊新興都市におけるキリスト教会を拠点とする都市住民の多角的な活動実態を調査した。また岩本は都市における家族問題から発展させて、都市の急激な膨張にともなって浮上してきた死や葬儀・墓などについて調査対象を広げている。都市への人口流出にともなう農漁村の社会変化、とりわけ過疎化や老齢化にともなう伝統的組織の改編や伝統儀礼の変容などについては、東海岸の漁村部(鈴木)、観光開発との関連も視野を広げた済州島の事例(大野)、地方都市南原における伝統の再創造(本田)、また都市化に伴う交通の発達は都市農村を含む空間観念と行動性を生んでおり、それにともなう儀礼の変容も取り上げられた(雀)。
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